ストーリー | 17 7 月 2018
3年に及ぶ包囲攻撃から、ようやく解放されたシリア東北部のデリゾール。人々は廃墟と化した町で、厳しい暮らしを強いられています。戦闘が終わり、これから生活再建に向かうはずだ-。そんなわずかな希望を頼りに、人々は今日を生き延びています。
大工の仕事失い、自宅も破壊
デリゾールの荒廃した通りで、一人の中年男性が素手でがれきの下に埋もれたくず鉄などを探していました。包囲される前は、町の中心部だった場所です。
男性は4人の子供の父親、アリ。あちこちのがれきの山の中へ消えては、アルミのなべなどを拾い、カートに入れることを繰り返します。くず鉄や金物拾いが、今の彼の生計を支えています。
「紛争が始まる前、私は大工でした。でも今は家族に食べさせるため、くず売りをしています」
彼の自宅は、この中心街のすぐ近くにありました。「家はあそこだよ。