【日本人職員に聞く】命をつなぐだけでない、希望もつなぐ支援
国連WFPに入職してからタンザニア、チャド、パキスタン、ローマ本部を経て、現在はシリア事務所でサプライチェーンを担当しています。WFPの食料支援、特に緊急支援のバックボーンとして、サプライチェーンは欠かせません。
シリアでは主に国内での物流を担当していますが、とにかく物資を必要なところへ、支援を必要としている人々の元まで届ける。輸送方法は国により、場所により、状況により様々ですが、目標は常にシンプルです。 明日の学校給食がきちんと提供されるように、子どもたちの栄養状況が少しでも改善するように、避難民の人達が少しでも美味しいものを食べられるように、おなかを空かせている人が少しでも減るように、と願って働いています。
避難していた人々がシリアに戻りつつありますが、住居やインフラは破壊されたままです。郊外の村々では人道支援が無ければ日常生活を送ることも難しいです。支援はやはり命をつなぐだけではなく希望もつなぐものです。 シリア北部の都市アレッポは、かつては商業、工業で栄えた大きな都市ですが、美しかったであろう旧市街は無残に破壊されてしまいました。それでも、少しづつ明かりが点り、新しいレストランやカフェがオープンし、街に活気が戻っています。とはいえ、たまに聞こえる爆撃音で、まだまだ紛争は完全には終わっていないんだ、と思い知らされます。
瓦礫の山と化した街 暗い街で、遠くまでが見渡せるようになってしまった旧市街の瓦礫の山を見たときには、津波の後の街を思い出しました。私は東日本大震災支援が始まって3カ月後に東北地方で活動していたのですが、被災地の静まり返った街を歩いた時のように、アレッポを歩いていると、昔は人で賑わっていたであろう旧市街のスーク(市場)のがれきの中で、あまりにも多くのものが失われてしまったのではないかと、立ち尽くしてしまいます。そんな私にシリア人のスタッフは、「やっと終わった、これからだ」と笑いかけてくれました。
シリアの経済状況は決して良くなったとは言えません。それでも「これからだ」と前に進もうとするシリアという国の支援を必要とする人たちや地域社会が、前よりもさらに良く立ち直っていくためのお手伝いができることに大きなやりがいを感じています。
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紛争開始から3月15日で9年もの歳月が過ぎたシリア。 終わらぬ困難の中を生きる人たちを支えるため、皆様のご支援をよろしくお願いします。
2020年春「レベル3」緊急支援へのご協力のお願い
あなたのご支援で、紛争地の人びとに「食料」を!
絶望の淵に立たされた一人でも多くの命を救うために、国連WFPの緊急食料支援へのお力添えを、どうぞよろしくお願いいたします。
<温かいお気持ちに感謝いたします>ご寄付はこちらからお願いします