スーダンでの飢えと戦闘から逃れるため、母親たちはあらゆる危険を冒してエジプトに向かう
ストーリー | 2023 年 5 月 17 日
シリアでは、国連WFPの推計によると、現在1200万人のシリア人が食料難に陥っています。これはシリアの人口約2200万人の半分以上に相当し、2019年に比べて51%も増加しています。
記録的な食料と燃料価格の高騰、継続しているインフレ、国内の一部地域で今も続く紛争、悪天候、ウクライナでの戦争が、シリア国内の最も脆弱な立場にある人びとに大きな負担を強いています。シリア国内の補助金制度はこのような状況に対応することができず、多くの人びとが最も補助金を必要とする今、段階的に補助金を打ち切られる事態に陥っています。
資金不足、そしてサプライチェーンの混乱のなかで食料支援を維持するため、国連WFPも食料支援の規模を徐々に縮小せざるを得ない状況にあります。生き延びるために、シリアの家庭は食料、学校、薬、燃料のすべてを手に入れることはできず、その中での選択を迫られています。早期の結婚や子どもの退学も増加の兆しを見せています。
国連WFPは、シリア国内で毎月560万人に命を救うための食料支援を届けています。シリアの家庭への食料配給や食料引換券の配布のほか、全国の学校で給食の提供、母子の栄養不良の予防・治療を行なっています。
政治的な解決は不可欠ですが、世界的な食料危機によって悪化したこの未曾有の危機を人びとが生き延びるためには、資金が必要であることに変わりはありません。現在、国連WFPは配給量を家族が毎月必要とする食料の約半分にまで減らしていますが、それでも、シリアで緊急に命を救うためのの活動を維持するためには資金が不足しています。