急速に深刻化する飢餓と物価高 スーダン周辺国の難民危機に対する取り組み
ストーリー | 2024 年 6 月 19 日
緊急支援
サヘルにおける紛争は生活と生計を根底から覆し、多くの人びとが絶望の淵から逃れるため、避難を余儀なくされています。気候危機の影響、食料・燃料価格の上昇をもたらす世界経済の逆風、農業生産の減少、コミュニティ間の緊張が、サヘル中心部における飢餓の主な要因です。
人道支援へのアクセスが制限されているブルキナファソとマリの紛争地域では、深刻な飢餓が飢きんに近いレベルに達しようとしています。また、ニジェールで進行中の政治危機と、それに続く経済制裁、国境閉鎖は、すでに前例のない水準に達していた、飢餓と人道的ニーズを増大させています。
チャドは、アフリカで最大かつ最も急速に増加している難民人口を受け入れており、食料不安に直面している地域社会に圧力をかけています。隣国スーダンの紛争により、さらに数十万人が国境を越え、現在100万人がチャドに滞在しています。人道的ニーズが急増しているにもかかわらず、対応するための資源は減少しており、支援団体に残された選択肢は数少なくなっています。
サヘル中心部におけるすべての避難民が、緊急支援を必要としています。多くの場合、避難民を受け入れているホストコミュニティも極めて脆弱な状態にあります。人道的なアクセスがますます困難になっている現在、食料の需要は増加の一途をたどっています。
今や命を救うためには、迅速な人道的行動が不可欠です。増大する人道的ニーズに対応することと同時に、コミュニティの回復力構築における近年の進歩を守ることは大きな課題です。
国連WFPは生活の改善、飢餓の終焉、安全でない移住の減少、若者への教育や紛争の根絶を目的とし、命を守る人道主義的な介在を、生活を再建させ、生態系の回復し、雇用を創出し社会的結束を構築する活動への投資の拡大に結びつけることを目指しています。
国連WFPは、多くのみなさまに寄付を通じた支援をいただいているものの、サヘル中心部での支援活動のため、2023年12月から2024年5月までに5億6520万米ドルを必要としています。