飢餓と闘い、平和を築く: 変革の種をまくブルキナファソの農民たち
農繁期ではラマタ・ウエドラオゴさんは大忙しです。16人の家族の主要な食料源だからです。彼女が暮らすブルキナファソの非常に乾燥した暑いノール地方では、1年のうち3~4か月しか作物を育てることができません。
「ここでの最大の関心事は、子どもたちのために十分な食料を確保することです」と、国連WFPが支援するレカ村の女性農業組織の一員である47歳のウエドラオゴさんは言います。
「収穫が増え、十分な食事ができるようになれば、残りの利益を他の必要なことに使うことができます。」
気候変動の影響を受けているブルキナファソでは、農業がますます困難になっています。気温の上昇は土地の劣化を助長します。ノール地域の人口の半数近くが、このような一部または深刻な影響を受けている地域に住んでいます。
武力衝突と暴力の増加は200万人以上の人びとに退避を余儀なくしています。また支援を必要とする多くの地域へのアクセスが遮断されており、人道支援機関が手を差し伸べることができなくなっています。このことが同国の食料生産の縮小および飢餓と栄養不良の増加の主要な要因です。
こうした困難にもかかわらず、国連WFPはブルキナファソ政府と協力して、国際連合食糧農業機関と国際農業開発基金という他の2つの国連パートナーとともに、ウエドラオゴさんのような同国の基幹労働力である小規模農家の農業生産性と経済統合を向上させるための強靭性強化プロジェクトに取り組んでいます。
このプロジェクトは、サヘル地域政府と国連WFPを含む人道機関との共同パートナーシップの一環として実施されたもので、マリと国境を接するブルキナファソ北西部の2つの地方、ノール地方とブクル・デュ・ムウン地方の約1万世帯を対象としています。
「ブルキナファソが飢餓から抜け出すためには、政府やパートナーと協力して人道的ニーズに対応し、飢餓の根本原因を追究し、和平に尽力することが必要です」と、エルヴィラ・プルシーニ国連WFPブルキナファソ事務所代表は言います。
「長い目で見れば、この取り組みはコミュニティの食料と栄養の安全保障に貢献し、彼らの収入を増やし、人道支援への依存を減らすはずです」と彼女は付け加えます。
困難な時
ブルキナファソの急増する情勢不安が、世界でも稀にみる速度で避難民危機を引き起こしています。10人に1人が退避を余儀なくされ、4人に1人が深刻な人道的ニーズに直面しています。専門家の調査結果によると、6月から8月にかけての収穫の少ない時期に、約300万人が深刻な飢餓に直面すると予測されています。
暴力のために農民は畑に行くことができず、最も弱い立場に置かれた地域社会を人道支援機関が支援することを妨げてきました。多くの場合、国連WFPが運営する国連人道的航空サービス(UNHAS)が、到達困難な地域に人命を救う食物および他の支援物資を届ける唯一の方法です。
カール・スカウ国連WFP副事務局長は、最近レカ村やその他の北部のコミュニティを訪問した際、こう述べました。「これは非常に深刻な人道的状況です。ここは到達するのが非常に困難な地域です。町のいくつかは包囲されており、数か月、場合によっては数年にわたって包囲されています。人びとは助けを必要としており、国連WFPが提供する人道的な生活支援を必要としています。」
レカ村では、国連WFPとそのパートナー機関による強靭性強化の取り組みにより、太陽光を利用した給水所が設置されました。この給水所では、雨水を集め、大きな貯水池に汲み上げます。これにより、女性農業者は年間を通じてトマト、タマネギ、落花生、ジャガイモなどの作物を栽培し、潅水することができます。
国連WFPはまた、人びとに市場園芸、堆肥生産、水管理に関する訓練を行ったり、肥料や種子などの投入材を購入できるように現金支援を提供したりしています。
かつては荒廃していた近隣の土地では、このプロジェクトによって再び導入された伝統的な半月型の畝に、村人たちが主食のキビを植えています。これにより、貴重な雨水の流出を防ぎ、植物がよりよく水を吸収できるようになりました。この地域の農家は現在、この畑からの収穫で約125米ドルを得ており、大きな収入源となっています。
レカ村の農家であるイソウフ・サワドゴさんは、半月型の畝のおかげでキビの収穫が増え、かつては100kg入りの袋が3袋だったのが、今では20袋以上に増えたと言います。収穫するキビと豆は、彼の家族を養い、さらに貧困にあえぐ隣人の支援に使われています。
「豆の一部を売って、子どもたちの学校の教材を買うつもりです」とサワドゴさんは自慢げに語ります。
レカ村を含むオウラ共同体のムーサ・ウエドラゴゴ県知事によれば、この強靭性強化の取り組みは、地元の農業コミュニティと、暴力から逃れてこの地に定住した新住民との絆も強めています。
「このプロジェクトには国内避難民も参加しているため、活動が実施されている村では社会的な結束が深く根付いています」と彼は言います。
レカ村の農家であるウエドラオゴさん(ウエドラゴゴ県知事とは別人)にとって、このプロジェクトは大きな変革をもたらしました。
「30年以上にわたって、この土地は不毛で、子どもたちがサッカーをするための場所でした」と彼女は、今では金色のキビが肩の高さまで成長した、10エーカーの区画を指さして言います。「ようやくここまで栽培することができるようになりました。」