ストーリー | 27 8 月 2020
「不十分の」途上国と「不注意の」先進国
世界の飢餓の原因は、食料生産が追いついていないからではありません。事実、世界中の一人ひとりが十分に食べられるだけの食料が生産されています。
しかしその足りているはずの食料のうち、3分の1が食品ロスとなっている現実があります。
先進国では、「作りすぎによる食べ残し」や「賞味期限切れ」など、消費段階で多くの食料が捨てられています。
一方、途上国では収穫段階から食品ロスが生じています。衛生状態が悪く、不十分な保管施設では害虫やカビが発生し、作物が傷んでしまいます。また経済的に貧しい農家は人手や機械が手に入らないため、収穫が間に合わないと作物を腐らすしかありません。
慢性的な貧困、紛争や経済危機と共に食品ロスは飢餓の諸悪の根源となっています。さらに食品ロスは、生産時に使用した水や資源のロスにもなります。