ストーリー | 07 11 月 2022
ブレンダ・ロペスさん(仮名)は夫のジーンズの脚を裏返しにして、できるだけきつく巻き上げます。夫のフアンさん(仮名) はそれらを2枚のシャツといくつかの下着と一緒に小さなグレーのショルダーバッグに押し込みます。バッグのファスナーを閉めると、彼は鏡で野球帽を整え、ベッドの端に腰を下ろして、コヨーテ(中央アメリカで密入国斡旋業者を指す)からの電話を待ちます。
ウクライナ戦争による物価の高騰、気候危機の影響、長引く新型コロナウイルスの大流行が、すでに貧しい人々の生活をさらに悪化させ、ロペスさんが住むセラム村からの移住の波を後押ししているのです。グアテマラの山岳地帯、フエフエテナンゴ県にある人口525人の農村であるセラム村は、周辺の村と同様に最大67%の村民が慢性栄養不良に陥っています。