日本政府、国連WFPを通してサブサハラ・アフリカ15カ国の緊急支援に50億円を拠出
サブサハラ・アフリカ地域(サハラ砂漠以南のアフリカ)では、紛争、テロ、政情不安、自然災害、異常気象、感染症、ウクライナでの戦争の影響を受けた物価高騰など、様々な要因により食料不安の状況がさらに悪化しています。難民、国内避難民、女性、子どもなどの最も脆弱な人びとが最も深刻な影響を受けています。
今回の日本政府からの拠出により、国連WFPは深刻な飢餓、食料不足、栄養不良に苦しむ弱い立場にある人びとに、穀物、豆類、植物油の食料や食料バウチャーを届けることができます。この事業は、地域の食料不足を改善し、食料供給の安定化を図ることで、全体的な食料安全保障に寄与することを目的としています。
拠出金のうち、約14億円は、緊急食料支援、栄養支援、および国連人道支援航空サービス(UNHAS)の運用を通じて、コンゴ民主共和国で最も困難な状況にある人びとへの支援に充てられます。コンゴ民主共和国では、人口の20%にあたる2,300万人以上が、紛争、疾病、避難、脆弱なインフラを原因とする危機的またはそれ以上のレベルの飢餓に直面しています。コンゴ民主共和国東部の避難民の数は世界最大級です。
約11億円は、チャドにて、スーダンでの戦闘の影響を受ける人びとの命を救うための食料・栄養支援と学校給食を提供するために使われます。同国は、気候危機、世界経済の逆風、農業生産の減少により、昨年4月のスーダン危機の勃発前から深刻な食料不安と栄養危機に見舞われていましたが、スーダンでの戦闘悪化により、大量の難民が流入し、地域の食料状況がさらに圧迫されています。
さらに約4億5,000万円は、マリの国内避難民や受け入れコミュニティを含む、支援を必要とする人びとのための緊急食料・栄養支援プログラムを支えます。国内避難民の流入は、それ以前から最低限の生活に必要なニーズを満たすのに苦労していた受け入れコミュニティに大きな負担を強いています。国内避難民の半数以上が、生活を人道支援に全面的に頼っています。国連WFPの支援は多くの人にとって生命線となっています。
国連WFP日本事務所の津村康博代表は次のように述べました。「紛争(Conflict)、気候危機(Climate)、食料や主要品目の価格高騰(Cost)という「3つのC」に見舞われているサブサハラ・アフリカの15カ国を対象に、緊急の人道的ニーズに応え、将来のショックに対する回復力を強化し、これらの脆弱な国々の飢餓と紛争の悪循環にくさびを打ち人間の安全保障に取り組むうえで日本政府からの時機にあった寛大なご支援に感謝します。今回の支援は、過去のアフリカ開発会議(TICAD)で表明された日本のアフリカに対する継続的なコミットメントを体現したものです。私たちは、日本および対象の各国政府と協力し、この支援の効果を最大化することを楽しみにしています。第9回アフリカ開発会議(TICAD9)は2025年に予定されており、日本がアフリカの食料不安の改善に対してリーダー的な役割を果たすことを期待しています。」
この事業は、2022年8月に開催された第8回アフリカ開発会議(TICAD8)で表明され、昨年5月のG7広島サミットで再確認された、日本政府の「食料危機対応・持続可能な農業生産支援」へのコミットメントを具体化するものです。
日本は、長年にわたって国連WFPのトップドナー国の一つです。
今回の日本政府による50億円の支援対象国は以下の通り:ブルキナファソ、カメルーン、チャド、コンゴ民主共和国、ジブチ、ケニア、リベリア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、ソマリア、南スーダン、スーダン、ウガンダ
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国連世界食糧計画について
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