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シリアは世界で6番目に食料不安の人口が多い国です。国連WFPの推計によると、人口の半分以上にあたる1210万人が食料難に陥っています。さらに290万人が食料不安に陥る恐れがあり、わずか1年で52%も増加しました。人びとの栄養状態は悪化しており、発育阻害や栄養不良の割合が国の一部で増加しています。

記録的な食料と燃料価格の高騰、国内の一部地域で続く紛争、および悲惨な地震が、最も脆弱な立場にある人びとに大きな負担を強いています。世界的な経済危機によって、シリア国内の補助金制度の下で食料と燃料の補助金を受け取っている人びとの数が減少しています。

資金不足、そしてサプライチェーンの混乱のなかで食料支援を維持するため、国連WFPも食料支援の規模を徐々に縮小せざるを得ない状況にあります。生き延びるために、シリアの家庭は食料、学校、薬、燃料のすべてを手に入れることはできず、その中での選択を迫られています。早期の結婚や子どもの退学も増加の兆しを見せています。  

国連WFPは、シリア国内で毎月560万人に命を救うための食料支援を届けています。シリアの家庭への食料配給や食料引換券の配布のほか、全国の学校で給食の提供、母子の栄養不良の予防・治療を行なっています。

国連WFPのシリア緊急支援

食料支援
国連WFPは、シリア国内全14県で560万人に主要な食料を提供し、飢餓のさらなる悪化を防いでいます。主な支援先は、紛争や経済衰退、気候変動の影響を受け、最も脆弱な立場にある家庭です。また、食料配布だけではなく、地域の売店から必要な食品を柔軟に購入できるバウチャーを配布し、現金ベースでの支援も拡大しています。現金支援は、地元の需要と雇用機会の創出にも貢献することができ、地域経済の活性化を促します。
栄養支援
国連WFPの栄養プログラムは、子どもたちが可能な限り人生の最高のスタートを切ることができるよう、妊婦や授乳中の母親の栄養不良の治療と予防に取り組んでいます。全14県で30万人以上の妊産婦、6カ月から2歳の乳幼児に栄養強化食品を提供し、食生活の改善を行なっています。これには、食生活を多様化し、ビタミンやミネラルなどの必要な栄養摂取を促すためのバウチャー配布による支援も含まれます。
学校給食支援
国連WFPは、栄養強化食品、出来たての食事、電子バウチャーによる学校給食を46万人以上の児童に提供しています。給食は、子どもたちの健康と栄養状態を改善するための重要なステップであり、家族が子どもを学校に通わせる動機付けにもなっています。アレッポの学校の給食調理員には、弱い立場にある女性を雇用し、彼女たちが家族を支えて経済的に自立できるように研修と収入を得る機会を提供しています。
自立支援
緊急支援にとどまらず、コミュニティの自立を支援するため、国連WFPはシリア国内の家庭の生計手段の回復、食料アクセスの向上、危機に強い地域づくりを目指す支援を行っています。職業訓練や灌漑用水路の整備、パンの製造所などの地域インフラの復旧を通じて、シリアの人びとは自分たちの農場にとどまって、食料を生産し、収入を向上させるために必要な機会を得ることができます。
資金ニーズ 

政治的な解決は不可欠ですが、世界的な食料危機によって悪化したこの未曾有の危機を人びとが生き延びるためには、資金が必要であることに変わりはありません。現在、国連WFPは配給量を家族が毎月必要とする食料の約半分にまで減らしていますが、それでも、シリアで緊急に命を救うためのの活動を維持するためには資金が不足しています。

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