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「ぼくのお茶会へようこそ」シリア難民、モハマドの夢
, WFP日本_レポート
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シリア難民のモハマド©WFP/Edward Johnson

「世界中の子どもたちを招いて、お茶会をしたいな」。お茶が大好きなシリア難民のモハマドは、こんな夢を語ってくれました。寒さの厳しいレバノン・ベッカー高原の難民キャンプで、お茶は体を温めるのに欠かせません。また祖国での平穏な生活を奪われたシリア難民にとって、祖国の暮らしを思い出させてくれる、大事な飲み物なのです。国連WFPによる現金支給は、お茶の習慣を守るのに大きな役割を果たしています。

4歳のモハマドは、およそ1年前にベッカー高原の非公式難民キャンプに来て、一時避難所で暮らしています。 彼はポットのお湯が沸く音を聞くと、目を輝かせます。父親が見守る中、儀式を執り行うように、おごそかにお茶をいれます。一家はしばし黙ったのち、湯気の立つお茶をすすり、満足そうにため息をつきます。イギリスの午後のお茶や日本の茶道と同じように、お茶をいれ、それを飲むという一連の流れを味わっているのです。

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「お茶の時間は私たちの文化の一部なんです」と、モハマドの母親は言います。 シリア難民は「チャイ」を共にすることで祖国での生活をしのび、お互いの絆を強めます。世界中の友達をお茶会に招きたい、というモハマド自身も「しょっちゅう、ご近所にお茶会に招かれて、楽しい時間を過ごしているんじゃないかしらね」と、母親は察していました。

レバノンの国連WFPは、同国内にいるシリア難民70万人に現金支援を実施しています。プリペイドカードを通じて1世帯につき毎月20米ドルが支給され、人々はそのお金を使い、地元の市場で食材を購入します。レバノン国内には、国連WFPと契約する店が500あり、そこで購入データなども確認できます。 お茶は購入品目のトップ10に入っています。昨年11月の茶葉の購入件数は8万5000件に上り、お茶に換算すると約700万杯分に達しました。

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特に冬の間、寒さの厳しいベッカー高原のキャンプでは、体を温める方法が他にあまりないことからお茶の売り上げが急増します。

しかしシリア難民にとって、お茶の役割は体を温めるだけではありません。難民キャンプ暮らしの中でも、祖国の習慣や家庭らしさを保ち続けるという大きな意味を持っているのです。

国連WFPでは、シリア難民への緊急支援を実施しております。皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。