ご寄付はこちらから。
この近年、エル・ニーニョ現象による干ばつにより深刻な食糧不安が続くエチオピア。不作や家畜の大量死により、人々の生活そして命が脅かされています。そしてここでも国連WFPを通じた日本の支援によって助けられている人々がいます。そんな日本からの「贈り物」で支えられている1人、エチオピア南部の小さな村で暮らすシェイク・アハマド・ロバさんをご紹介します。
「もしこの村に食糧支援が届かなければ、私はただ死を待つだけでした」国連WFPの配給所で、食糧袋を抱えながらそう語るのは、エチオピア南部オロミア州ホイツ・バスマ村のロバさんです。この村の長寿、(自称)136歳のロバさんは、長距離を歩いて食糧配給所にやってきました。
1984~85年のエチオピア大飢饉にも襲われたロバさんの住む山間の村は、過去数年にわたり深刻な干ばつに悩まされ、不作による食糧難が深刻化しています。2016年は例年よりも雨期が短かったため飼料不足で多くの家畜が死んでしまい、生計は甚大な影響を受けています。
前年よりもさらに深刻な状況です。雨が少なく、強い太陽が大地を照らす毎日で、今年の収穫は期待できないでしょう。今できることは、祈ることだけです」とロバさんは空を見上げて話します。
日本は国連WFPにとって世界有数の支援国です。ロバさんの地域でも、これまでに日本の支援により4,700世帯が食糧支援を受けてきました。国連WFPは政府と連携し、ひとり1ヶ月あたり15kgの穀物と豆を配給しています。この日本の食糧支援は、人々の命をつなぐだけではなく、苛酷な環境でも前に進もうという希望を人々へ届けています。
現在、エチオピア人口の80パーセント以上が農村に住んでおり、約30パーセントの人々が貧困線以下の生活を強いられています。長期的な飢餓の解決策が求められています。
「今日受け取った60キロ分の穀物と豆で、自分と3人の家族の命をしばらく繋げられるでしょう。私たちを救ってくれた方々に心から感謝します」そう言うと、ロバさんはにっこりと笑いました。