ミャンマーの飢餓が深刻化:資金不足で阻まれる国連WFPの人道支援
失業のほか、食料や燃料価格の高騰、政情不安、暴力、避難などで苦しむ人びとの飢餓の状況は、ミャンマー全土における新型コロナウイルス感染症の急拡大によって一層深刻化しています。
国連WFPは4月に、飢餓に直面している人の数が、クーデターのあった2月以前の280万人から、10月までに倍以上の620万人になると推定していました。その後、国連WFPが実施したモニタリング調査によると、2月以降、ますます多くの家庭が、最も基本的な食料を食卓に並べることさえ困難な状況に追い込まれています。
「ミャンマーでは、飢餓が深刻化、拡大化しており、ヤンゴンのスラム街のような住区に住む世帯の9割近くが、食料を買うために借金をしなければならないと答えており、多くの人が収入に大きな影響を受けています。」と国連WFPミャンマー事務所スティーブン・アンダーソン代表は述べます。
国連WFPは5月から、ミャンマーの2大都市であるヤンゴンとマンダレーの200万人を対象に、新たな都市部での食料支援活動を開始しました。対象者の大部分は母親、子ども、障害者や高齢者で現在までに都市部では約65万人が支援を受けています。
2月以降暴力行為のため、家を追われた人びとは22万人以上に上り、緊急的な人道支援を必要としています。国連WFPは、新たに避難を余儀なくされた人びと1万7,500人にすでに支援を提供し、8月にはさらに多くの避難民への支援活動を計画しています。2021年にミャンマーの都市部と農村部を合わせて125万人の人が国連WFPの食料、現金、栄養支援を受けました。
しかし今後6か月で8600万米ドルが必要とされており、こうした支援をどれだけ提供できるかは不透明です。
「ミャンマーの人びとはこれまでで最も困難な状況にあります。支援を必要とする人へ私たちがアクセスできること、また必要資金を確保し人道支援を提供することが極めて重要です」とアンダーソンは述べました。
「今まで以上に、ミャンマーの人びとは私たちの支援を必要としています。国際社会の支援に深く感謝しています。ミャンマーの人たちは、皆さんの寛大さと連帯感を決して忘れません。」とアンダーソンは述べています。
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WFP国連世界食糧計画(国連WFP)は、2020年のノーベル平和賞を受賞しました。 私たちは世界最大の人道支援組織であり、緊急時に命を救い、食料支援を活用して、紛争や災害、気候変動の影響から立ち直った人々のために平和、安定、繁栄への道筋を構築しています。