ダガシュ事務局次長が来日 日本との連携強化を確認
外務省で開催された政策協議では、日下部英紀外務省国際協力局審議官をはじめ、農林水産省やJICAの関係者が参加しました。世界の食料安全保障について活発な議論が行われ、人道と開発と平和の連携(Humanitarian, Development and Peace Nexus)を踏まえた事業の重要性や、日本の民間企業やNGOなど様々なパートナーとの連携強化など、日本との協力を一層強化していくことで一致しました。また、WFPパレスチナ事務所代表も現地からオンラインで参加し、ガザ地区とヨルダン川西岸地区の深刻な食料危機の状況と、WFPの食料支援についても議論しました。
超党派で構成する、WFP国会議員連盟も開かれました。河野太郎最高顧問、高村正大会長、谷合正明副会長、英利アルフィヤ事務局長など約30人国会議員と関係者が参加しました。ダガシュ事務局次長は祖国スーダンをはじめ、世界各地で紛争が頻発している現状を踏まえ、「世界の食料安全保障の確立は平和の礎となる。今日の世界では、国や地域は密接に関わり合い、一つの国で起きていることは決して単体の課題ではない。特に、食料の安全保障は国の安全保障に大きく関わることである」と強調した上で、国際協調のために日本が果たしうる役割に期待しました。出席した議員からは、WFPが世界各国で行っている学校給食プログラムの取り組みについてや、飢餓のない世界の実現のために日本としてどのような取り組みができるのかなど、活発な意見交換が行われました。
経団連では民間企業6社と懇談し、ダガシュ事務局次長は紛争地域などで行っている事業について紹介し、「WFPは単に飢餓に直面する人名を救うだけでなく、彼らの生活を立て直し、繁栄につなげていくことを使命としている」と強調しました。参加した民間企業からは「紛争地域で中立の立場で支援を続ける方法は」「自社の技術を生かして貢献していきたい」などとの質問が寄せられました。
来日中、ダガシュ事務局次長は松本尚外務大臣政務官、山本佐知子農林水産大臣政務官、土田慎財務大臣政務官、山口博之JICA上級審議役を表敬訪問しました。日本からの継続的な支援に感謝を述べたほか、農林水産省からの拠出のもとでWFPが1998年以来、西アフリカ7か国で実施してきた小規模農家支援プロジェクトや、JICAと新たに調印したスーダンでの小麦バリューチェーン強化事業など、日本とWFPの多様なパートナーシップに期待を寄せました。