Skip to main content

学校給食支援へのご寄付はこちらから。

ギニア:地産地消の学校給食を支える、女性農家支援
, WFP日本_レポート

「地元で作った食べものを自分の子どもたちに食べさせられることほど、嬉しいことはありません。 」と、国連WFPの学校給食プログラムの一環で支援を受ける女性農家グループのミリムーノさんは語ります。この学校給食プログラムでは、玄米を作るための技術支援を行い、この玄米を学校給食用に買い取ることで、農家グループを支えると同時に、地産地消の学校給食を実現しています。西アフリカのギニア森林地帯で進む取り組みを紹介します。

0*wt_NnqOVBtQIo5jq.jpg
©WFP/Djaounsede Pardon Madjiangar

ギニアでは、子どもの17%以上が、小学校に通えておらず、その4分の3は女の子です。子どもたちが学校に通えない主な理由は、文化的な背景や教育への無関心、そして、貧困にあります。
国連WFPは、地方における貧困の改善や、子どもたちの就学率の向上のため、 2015年からギニア東南部の森林地帯にある281の学校で、地産地消の学校給食支援に取り組んできました。

0*QJUpQ3C3qLi5vPm6.jpg

ギニア森林地帯のコウンドウという小さな町に住む、女性農家のベルナデッテ・ミリムーノさんにとって、農業で安定した収入を得ることは、常に困難なことでした。彼女は米と野菜を育て、7人の子どもを養う母親です。

ミリムーノさんは米を育て、栄養豊富な玄米のまま炊いて販売する14人の女性農家のグループに参加しています。しかし、小さな町の中での市場は限られているため、彼女たちは、地元で消費される分と、近隣の地域へ出荷されるわずかな量のみを生産していました。

国連WFPでは、2015年からJICAの支援を受けて地産地消の学校給食プログラムをこの地域で進めています。このプロジェクトでは、国連WFPが女性農家グループに農具を提供し、彼女たちへ食糧の保管や梱包、輸送の方法を指導しています。そして、国連WFPは、彼女たちが収穫、炊飯した炊飯米を購入し、食糧不足が最も深刻な地域で学校給食として届けています。

0*0ga-7QV965Bcgfzn.jpg

ミリムーノさんのグループは、このプロジェクトに参加して2年も経たないうちに、 国連WFPに74トンの炊飯米を販売しました。それ以前に販売できていた炊飯米が年間10トンだったことからも、その多さが分かります。この売上のおかげで、ミリムーノさんの長女であるアミナタさんは、最近、ギニアの首都・コナクリで、小学校の教員養成の学校を修了することができました。

ミリムーノさんのように、ギニアの森林地帯では、9つの農業組合に属する1,800人の女性農家がこのプロジェクトに参加しています。小規模な農家を学校給食プログラムに結びつけることで、国連WFPは農業の発展を促し、そして、女性の活躍を促進しています。地産地消の学校給食プロジェクトは、子どもたちと小規模農家双方の生活の安定に貢献しています。

コウンドウ小学校の校長であるセコウ・トルノ先生は「炊いた米は、家庭の食事によく似ているため、子どもたちが学校に入学し、通い続ける可能性を高めます。また、学校給食は全児童の出席率を上げ、さらに、学校を辞めてしまう女子児童の数を減らすことにつながったのです。」

国連WFPの学校給食プログラムは、児童の出席率を向上するだけではなく、家庭での食費削減にも貢献します。
「以前は、毎日3キロの米を消費していましたが、今は、小学校に通う3人の子どもたちが学校で給食を食べて帰宅するので、米の消費量が半分になりました。毎日の食費が減ることで、その分のお金を衣服や学費、医療費に充てられるようになりました。」と、ミリムーノさんは話してくれました。