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震災からおよそ3カ月が経った7月下旬、ネパールの被災地や支援現場を国連WFP協会親善大使の三浦雄一郎さんが視察しました。5日間という短い日程でしたが、物流支援や、山間部での食糧支援、復興支援などの現場を見学し、国連WFPの支援を受ける人々から直接話を聞くことができました。視察報告会は2015年9月1日(火)に開催いたしました。
【視察1日目】 支援の世界における「物流のリーダー」である国連WFPがカトマンズ空港のそばで運営する「人道支援物流拠点」を視察しました。ネパールに空輸されてくる救援物資を受け入れ、仕分け、発送する物流拠点。国連WFPの物資だけでなく、120を越える支援団体がネパール支援のために震災直後からこの拠点を利用してきました。
【視察2日目】 2日目は復興支援が開始した村を視察しました。カトマンズから約4時間のジャンガジョリ村では、国連WFPの支援活動の一環として、地震で崩壊した学校のがれき除去作業に保護者たちが参加し、国連WFPはその労働の対価として現金を配布していました。もう一つのダカルガウン町でも、復興作業に地域の人々が参加していました。「復興は親の責任」と言いながら、炎天下の中力強く働くお母さんや、前向きに生きる人々が多く、印象的でした。
【視察3日目】 震源地であり、最も被害が大きかったゴルカ郡にある村の食糧視察現場を視察。標高3,000m以上あるこの山岳地帯の村へは車では辿り着くことができないためヘリコプターや、動物(ラバ)、人(ポーター)の力によって食糧が運ばれていました。
【視察4日目】 この日訪れたのは、標高2,300mにあるタシナム村ですが、地震による地滑りで道が遮断され孤立していました。国連WFPは地震発生の5日後から地元のポーターの協力やヘリコプターで、この村にも食糧などを届けてきました。ある女性は倒壊した家屋を指差しながら、「今でも小さな物音がするだけで、また地震が来るのではないかと怖くなってしまいます。」と話してくれました。
【視察5日目】 視察最終日には、7サミッツウィメンチームというネパール人の女性7人による登山家グループとお会いしました。地震発生直後からネパールの復興の力になりたいと、国連WFPの緊急支援に参加してくれています。「私たちは今、国連WFPで働けていることがとても幸せです。助けを求めている人がいる限り、全力で被災して傷ついた人々の力になりたいです。」と笑顔で語ってくれました。
視察を終えた三浦雄一郎国連WFP協会親善大使は、 「今回の視察を通じ、困難な状況下にあるにもかかわらず被災者のみなさんが復興に向けて一生懸命取り組む姿に胸を打たれました。しかし、多くの地域ではまだまだ支援を必要としています。今後もネパールのみなさんの前向きな気持ちを後押しできるよう、精一杯サポートしていきたい。」とコメントされていました。