ハイチ地震から1年:国連WFPはコミュニティへの支援を続けます
2021年8月14日、ハイチ南部でマグニチュード7.2の地震が発生し、2,200人が死亡、13万7,000棟が倒壊しました。
マリーさんは妊娠していました。家が崩壊し、娘2人と一緒に逃げ出し、近くの無人の土地に避難しましたが、やがてその土地は、家を失った多くの避難民が集まる場所となりました。
これらの人びとは被災した自宅を離れ、一時避難場所に集まった2万6,000人のうちの一部です。マリー・マルセレーヌさんは言います。「キャンプでの生活は決して楽なものではありませんでした。食べるものもなく、とても悲しかった。ハイチの国は呪われていると思いました。なぜ私たちがこのような目に遭わなければならないのかと問いかけました」
結局彼らは5カ月間、避難所に滞在することになりました。「床で眠り、地面で出産し、何のケアも受けられませんでしたが、神様のおかげで生き延びることができました」とマリーさんは言います。
地震発生から数時間後には国連WFPのチームが現地に入り、被災者の支援にあたりました。国連WFPは、病院や避難所の人びとに緊急の温かい食事を提供するほか、政府、国際移住機関、その他の国連機関と協力し、避難民の家族が再び定住できるような現金を提供したり、食料などの基本的なニーズに対応するための支援を行いました。
マリーさんは、震災後に国連WFPから緊急支援を受けた33万人以上の被災者の一人です。
マリーさんに会うと、彼女は3人の娘と一緒に新しい家に住んでいました。「古い家は完全にひびが入っていて、自分のものでもなかったので、いただいた支援で、この家を借りることができました。食料品や生活必需品も買うことができました」と彼女は言います。
地震から1年、国連WFPは最も被害を受けた3つの県、グランアンス、ニップス、スッド全域のコミュニティを継続的に支援しています。食料の確保/入手の状況がこれ以上悪化しないよう、国連WFPは政府とともにいくつかの長期的な取り組みを行っています。
国連WFPがハイチの社会労働省と実施している社会保護プロジェクトで、被災者が受け取った現金支援は、彼らの自宅の再建のために使われていると言う人がほとんどです。
国連WFPの復興支援プロジェクト
手や頭に石を担いだ女性たちが、ハイチ南部のシャルドニエールの丘の中腹にある渓谷まで下りてきます。この石は、この緑豊かな渓谷の水の流れを緩やかにし、この農村にとって重要な土地の浸食を防ぐための障壁を築くのに役立ちます。
渓谷を下ったところでは、別のチームが復興支援の一環として道路の整備に励んでいます。どちらのチームも、道路や小道、橋の修復や再建、森林再生や農業プロジェクトの実施など、コミュニティレベルでのインフラ整備を目指す国連WFPの復興支援プロジェクトの一つです。すべてのプロジェクトは、コミュニティが最も必要としているものに基づいて決定されます。同時に、参加者は生計向上のための現金支援も受けられます。
ソフィア・トゥーサント国連WFP支援アシスタントは言います。「人びとが稼いだお金は、短期的には震災後の困難な時期を乗り切るために、長期的には彼らの将来にとって非常に重要です。丘の斜面を保護することで土壌の浸食を防ぎ、自然災害で農作物を失う可能性を低くすることができまるのです。また、道路が整備されていれば、農作物を簡単に市場へ送ることができます。次の地震が起こったときに、支援がより効果的に行われるようになり、病院へのアクセスが容易にもなるのです」
地震発生後の国連WFPの緊急支援は、アンドラ、カナダ、ECHO、フランス、ドイツ、ハイチ(世界銀行と米州開発銀行を通じて)、日本、末日聖徒イエス・キリスト教会、フランコフォニー国際機関、スイス、UNCERF、英国、米国、UPS財団から、復興支援活動はカナダ、韓国、スイス、米国から資金提供を受けています。
2022年の国連WFPの社会保護プロジェクトは、ハイチ(世界銀行と米州開発銀行を通じて)とスイスから資金提供を受けています。