ハイチ地震で被災した子どもたちに温かい学校給食を
8月にハイチ南西部の大部分を襲った大地震で被災した家庭の子どもたちが、学校で温かい食事を無料で提供されています。これは、国連WFPがハイチの最も弱い立場に置かれたコミュニティの復興を支援するために行っている活動の一環です。
午前11時、ハイチ南部の半島西部に位置するジェレミーという小さな町にある国立フィユ・ドゥ・ダム・マリー学校という施設で、ボランティアの調理師2人が、307人の生徒たちに配る食事の準備に大忙しです。
本日のメニューは黒豆を使ったもので、通常よりも調理に時間がかかります。小麦粉、植物油、ねぎ、トウガラシを2つの鍋に入れて蒸します。
ここの生徒たちは、学校名(フィユ・ドゥ・ダム・マリー=マリーさんの娘たち)とは裏腹に女子も男子も、国連WFPの学校給食支援の恩恵を受けています。この支援は、最も弱い立場に置かれた子どもたちに、1日に少なくとも1回の調理済みの食事を提供することを目的としています。
フランシー・シルベストル校長は話します「多くの子供たちにとって、学校給食がその日の唯一の食事なのです」。
ダム・マリーの町は地震の影響を受けましたが、建物の壁にいくつかの亀裂が入り、入口の門が壊れたことを除けば、学校はほとんど無傷のままでした。
地震の影響
最も大きな影響を受けたのは子どもたちの両親であり、その多くは震災によって農場を失ったり、植え付けの時期を逃したりしました。
ハイチ緊急支援
「農場が被害を受けたので、この子たちの両親はきちんとした食事を子どもに与えることができないのです」シルベストル校長は言います。
「だからこそ、この学校給食支援が重要なのです。子どもたちには勉強を続けるためのエネルギーを与え、両親にはサポートを提供します。長い目で見れば、それは私たちのコミュニティにとっても良いことです」。
学校給食は、8月14日にハイチ南西部を襲った地震のかなり前から実施されていました。この地震により、2,200人以上が死亡、さらに12,700人が負傷し、橋、道路、病院、学校などの主要インフラが破壊または損傷しました。
この学校は、国連WFPが約345,000人の生徒に食事を提供している1,600以上の学校の1つにすぎません。そして、ほとんどの学校と同様に、この支援は単に食事を提供する以上のことを目的としています。
全体的アプローチ
各教室の外には、バケツで作った小さな手洗い場が設置されています。食事の前に手を洗うなど、子どもたちが衛生的な習慣を身につけるために、ユニセフが設置したものです。
ユニセフは、フランス語や数学などの教科書や、生徒たちが快適に勉強できる机を提供しました。
国連WFPのフィールドプログラムアシスタントのマグエリタ・ヴァリンは話します「全体的なアプローチをしなければなりません。手を洗ってから食事をしなければ、子どもたちは病気になってしまいますし、本がなければ、たとえ食事をしても勉強ができません」。
国連WFPの学校給食支援は、地震の影響を受けた3つの地域の190の学校に在籍する約4万人の子どもたちのために、より多くの地元産の農産物を使用し、拡大することを計画しています。
国連国際労働機関(ILO)は、栄養価が高く、用途の広い熱帯果実であるパンノキを栽培する農家に対して、栽培拡大を支援することを検討しています。パンノキが学校給食の主食になることで、地域経済の活性化につながることが期待されています。
「このアプローチは、地域経済の維持に役立ち、農家がより多くの作物を栽培できるようになるでしょう」マグエリタ・ヴァリンは語ります。「コミュニティが力強く回復し、最終的には、将来の災害に対する強靭さを高めることにつながります」。
国立フィユ・ドゥ・ダム・マリー学校では、食事の準備が整い、生徒たちは手を洗い、温かい食事の列に並んでいます。多くの生徒はこれが今日初めての食事で、とてもお腹が空いているようです。
机に戻り、たっぷりの豆や小麦を夢中になって食べます。食べることに集中しているので、おしゃべりをしている暇はありません。十分に食べることで、午後の授業に集中できるのです。
この記事の著者であるダニエル・ディッキンソンは、ニューヨークの国連本部のグローバル・コミュニケーション部のシニア・マルチメディア・エディターです。
ハイチでの国連WFPの学校給食支援は、カナダ、Education Cannot Wait(教育を後回しにはできない)、フランス、スイス、米国農務省から資金提供を受けています。
国立フィユ・ドゥ・ダム・マリー学校でのプログラムは米国農務省の資金提供を受けています。米国農務省の資金により、ハイチ全土で約10万人の児童に給食が提供されています。