庭から食卓へ:ルワンダの学校給食が子どもたちにもたらすもの
ルワンダ南部のルヒンガ村に住む3人の母親であるフランシーヌさんは、教育こそがすべてだと考えています。
この地域は依然として、48%という高い発育阻害率(栄養不良による子どもたちの成長と発達の障害)を抱えていますが、人々は時間とともに改善を目の当たりにしてきました。
子どもたちには明るい未来が訪れるのではという希望となっています。
「私が小さい頃は、学校が遠くにあったので、いつも行くことができませんでしたが、今は子どもたちの学校がすぐ近くにあります」とフランシーヌさんは言います。これで、フランシーヌさんのような家族にとっても教育を優先しやすくなりました。
下の二人の息子、ドーナツ君(9歳)とランバート君(13歳)には、国連WFPの「地産地消の学校給食支援」プログラムが提供されており、毎日栄養価の高い食事が提供されています。
また、国連WFPは学校に読み物や栄養指導、家庭菜園の設立などを支援し、生徒たちの健康と教育の向上に努めています。
「両親は農業を営んでおり、一日の大半を畑で過ごしています」とランバート君は言います。
「まだ学校給食がなかった小さい頃、昼休みに学校から帰ってくると、お腹が空いているのに食べるものがありませんでした。エネルギーが不足して、午後から学校に戻る気になれませんでした。
今は学校で給食を食べているので、空腹に気を取られることなく、1日を終えることができます。給食もおいしいです」
5年前、このプログラムが始まる前の生活を振り返り、彼はこう言います。
学校には給食で使う食材を栽培する庭があり、子どもたちは野菜の育て方も学んでいます。また、周辺地域の家庭に苗を提供し、栽培する作物の多様化を促しています。
ランバート君は、家族が自宅の庭を豊かにするのを手伝っています。「健康のためには、食事に様々な色を取り入れることが大切だということを学びました」とランバート君は言います。
しかし、健康的な食べ物を十分に確保することだけではなく、衛生管理もこれまで以上に重要な課題となっています。
国連WFPは学校に水道を引き、生徒たちだけでなく、より広いコミュニティにも恩恵をもたらしました。常設の手洗い場ができたことで、地域の人々や家族が長い距離を歩いて水を汲みに行く必要がなくなりました。
「以前は深い谷間に水を汲みに行き、山に持ち帰っていました。子どもたちも手伝ってくれていました。そのために学校に遅刻することもしばしばありましたが、今ではその必要もありません」とフランシーヌさんは言います。
「生活の質が格段に向上し、子どもたちも勉強に集中できるようになりました」
子どもたちの読み書きをさらに向上させるために、周辺のコミュニティで生まれた物語から読み物を制作しました。
「僕は読書のスキルをとても誇りに思っていて、お母さんに物語を読んであげるのが好きです」とドーナツ君は言います。「大きくなったら、先生かお医者さんになりたいから、一生懸命勉強しなくちゃいけないと思っています」と話します。
フランシーヌさんもドーナツ君の夢を応援しています。「私は自分の子どもたちと、彼らがこれまでに成し遂げたことを本当に誇りに思っています。教育は彼らの将来の鍵となります」とフランシーヌさんは言います。
「彼らは英語を学んでいて、その読解力には感心させられます。私の目標は、子どもたちが一生懸命勉強して教師になることです。そうすれば、彼らはコミュニティに戻って、他の子どもたちが貧困から抜け出すのを助けることができるでしょう」
国連WFPの教育アドバイザーであるエイミー・ブラウマン氏は、「本プログラムは、期待通りの成果を上げていることを示しています。生徒の出席率は92%に上昇し、読解力は49%から78%に上昇しています」と話します。
国連WFPの地産地消の学校給食は、ルワンダ国内で最も脆弱かつ食料不安にある4つの地区の108の学校で、79,000人の小学校の生徒を対象に、毎日栄養価の高い給食と関連する活動を提供しています。この活動は米国農務省(USDA)とマスターカードの支援により実現しました。
2017年の費用対効果分析によると、1米ドルを投資するごとに、健康、教育、生産性の向上により、4.8米ドルの経済的効果がもたらされることが示されました。