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WFP国連世界食糧計画とスタンフォード大学出版、「世界飢餓叢書」を創刊

WFP国連世界食糧計画とスタンフォード大学出版、「世界飢餓叢書」を創刊
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ジュネーブ発−WFP国連世界食糧計画は、本日「世界飢餓叢書」を創刊した。飢餓とその具体的な撲滅対策に焦点を当てるこの年次出版物の初版は、飢餓と学習能力の関係性を考察している。

ノーベル経済賞受賞者のケネス・アロウ教授はこの創刊号を評価し、「胎児あるいは乳幼児期の飢餓が、子どもの発達を阻害する証拠を提示している。従って、飢餓が個人あるいは国家の経済成長を阻み、個人の成長の障害となっている」と述べた。

「世界飢餓叢書」が注目に値する理由は、人の一生における各段階に実質的対処法を提示した点である。今年度版にはジャマイカの事例が挙げられ、栄養失調の子どもたちが朝食を与えられた場合、会話テストにおいて劇的な好成績を残したことが例証された。このような結果は空腹が学習能力を低下させることを証明し、栄養不良問題に対処することの重要性を明らかにした。

世界ではおよそ3億人以上の子どもたちが、お腹を空かせたまま1日を終える。そのうちの1億人ほどは親が貧しく、学校に通うことができない。この叢書は、学習と飢餓がいかに相互に影響しあうのかを示している。たとえ学校に通えたとしても、栄養不足に陥っている子どもたちは、授業に集中できないのが現実だ。

「この現状は悪循環を生み出す危険性を伴う。飢餓に苦しみ、手に職のない大人達は、空腹のために成長できず、学べず、飢餓と戦う能力が発達しない次世代の子どもたちを生みだす」とWFP国連世界食糧計画事務次官シーラ・シスルは言う。

「『世界飢餓叢書』は、学習能力の向上が飢餓問題に対処する効果的な方法であることを明らかにした」とシスル氏はコメントした。「教育とは、識字能力や計算能力のみを指すのではない。食糧を調達するための基礎的な能力以外にも、保健、衛生、栄養、本人や家族を養うための職業など、様々な知識を提供してくれる」と語った。


学識のある女性を増やすことは、子どもの飢餓を大幅に減らす可能性を秘めている。女性の通学年数は、その子どもが栄養不足に陥る確率を40%も減らす。

叢書の後半においては、政策決定者に対する飢餓撲滅や子どもたちの学習能力向上を目指すための提案が列挙され、各国政府及び国際社会の長期的取り組みを要請している。

本叢書は英語、フランス語、スペイン語、アラビア語で発行されている。英語版は、WFP国連世界食糧計画とスタンフォード大学出版との共同出版物である。

今後「世界飢餓叢書」は、健康、貿易、あらゆる危機、社会的排斥などの問題と飢餓との関連性を考察し、出版していく予定である。