WFP国連世界食糧計画 新事務局長にジョゼット・シーラン氏 (和文)
ローマ発– 36理事国と、他のほとんど全ての加盟国が参加したWFP 国連世界食糧計画理事会の特別会合での協議の結果、議長を務めるミルザ・カマル・ベグ パキスタン大使は、理事会の合意を得た上で、国連事務総長と国連食糧農業機関(FAO)事務総長がジョゼット・シーラン氏をWFPの新事務局長に任命する予定だと発表した。
「シーラン氏は素晴らしい実績の持ち主。毎日飢えと戦っている何億人もの人々を支援するため、WFPの加盟国一同、彼女と一緒によい仕事をしていきたい」とベグ大使は述べた。
来年任期を終えるWFPの現事務局長、ジェームス・モリスは、「この5年間、世界最大の人道援助機関を率いてこられたことを誇りに思う。ジョゼット・シーラン氏の幅広い経験、特にアメリカ国務省と国連改革に関するハイレベル委員会での経験は、WFPやWFPの食糧支援を受ける人々にとって、とても役に立つことだろう」とコメントした。
「シーラン氏には全幅の信頼を置いている。人道支援に対する彼女の献身的な姿勢と責任感によって、WFPは、毎日飢えと戦っている何億人もの人々に対して、世界からより一層の支援と関心を得られるようになるだろう。私はいろいろな所で飢餓の問題を人々に伝える機会が多かったが、これはとても難しい仕事だった。忘れられがちなこの飢餓という問題に関して人々の意識を高めてもらうには、彼女のメディアでの職務経験が非常に役立つだろう。」とモリス事務局長は付け加えた。
シーラン氏はアメリカ人。米通商代表部副代表、技術関連の上場企業の社長、ワシントンのシンクタンクの代表および最高経営責任者、ワシントンタイムズ紙の編集長を歴任し、2005年8月より、アメリカ国務省において、経済・企業・農業問題担当の国務次官を務めた。
シーラン氏は2002年4月より事務局長を務めたジェームス・モリスの後任となる。
WFP創立時に尽力したジョージ・マクガバーンWFP世界飢餓大使(元米上院議員)は、「ジョゼット・シーラン氏は、世界の貧しい人々が自分自身の力で貧困から脱し、力をつけていけるように画期的な計画や方針を模索していきたいと力強く表明した」と述べた。
WFPは世界最大の人道援助機関。2005年には31億ドルの支出で9700万人に食糧援助を行った。1963年に国連総会と国連食糧農業機関の決議で設立。災害や紛争などの緊急事態発生時や、食糧難にある子供や女性の健康や栄養状態を改善するために食糧支援を行っている。