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WFP 飢餓救済へ向けさらなる支援を要請

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ローマ発

WFP 飢餓救済へ向けさらなる支援を要請

WFPは世界の飢餓状況が深刻化するなか、各国が打ち出している金融危機対策資金の一部を飢餓対策へ充当するよう呼びかけた。

ジョゼット・シーランWFP事務局長は、訪問先のインドで「金融業界や実業界を救済すると同時に、世界で最も貧しい人たちを救済しなければなりません」と述べた。インドは世界で最も多くの栄養不良人口を抱える国である。

WFPは2009年、約1億人を対象に食糧支援をすることを目指しており、その資金に52億ドルが必要であると試算している。ハイチ、コンゴ、エチオピア、ケニアなどの特に支援が必要な国々では、緊急資金なしには来年3月末に食糧の在庫が底をつくとしている。WFPは全ての活動資金を政府、企業、個人からの寄付に頼っている。

シーラン事務局長は、アメリカやヨーロッパの国々が金融・景気対策として打ち出している資金のわずか1%で、先進国はWFPに十分な活動に資金を拠出することができることを強調。資金を得られれば、学校給食を必要としている世界のすべての子ども5900万人へ給食を提供したり、緊急食糧支援のための積立金の準備などを通して、深刻な飢餓状況を打開することができるとした。さらに、種や肥料の価格高騰で深刻な影響を受けている小規模農家の農業生産を高めるためにも資金が必要であるとした。

「世界のリーダーたちは自らの政策の真の意味を問うべきです。世界は金融危機対策のために多額の資金を投じる用意があります。では人々を飢餓から救うにはいくら投じられるでしょうか?」シーラン事務局長は問いかける。

金融危機は今や先進国のみならず、開発途上国にも飛び火し、大きな影響を与えている。今月キルギス政府は経済の急速な悪化を受けて、WFPに食糧支援を要請した。

さらに、国際連合食糧農業機関(FAO)は先週、食糧価格の高騰によって今年4000万人もの人々が新たに飢餓に陥り、世界の飢餓人口が10億人に近づいていると発表。シーラン事務局長は、幼い時期に子どもたちが経験する飢餓の影響は、知能と身体機能の発育を妨げると強く訴え、「私たちは次世代を担う子どもたちを救わなければならない」と述べた。