コンゴ民主共和国で飢餓が深刻化、WFPとFAOが緊急行動を呼びかけ
最新の総合的食料安全保障フェーズ分類(IPC)によると、2026年初頭までに全国で2,660万人が危機レベルの食料不安、またはそれ以上(IPCフェーズ3以上)に直面し、そのうち390万人が緊急レベルの飢餓(IPCフェーズ4)に陥ると予測されています。これは、それぞれ2,480万人、320万人という現在の数字からの増加です。
東部で食料不安が深刻
飢餓危機が最も深刻なのは、紛争の影響を受けている東部の北キヴ州、南キヴ州、イトゥリ州、タンガニーカ州です。継続する暴力、人口移動、限られた人道的アクセスが、これらの地域における食料不安を悪化させ続けています。2026年1月までに、これら4つの州の1,000万人以上の人々(現地の人口の約3分の1)が、危機的レベルの食料不安、あるいはそれ以上の事態に直面し、基本的な食料需要を満たすために日々苦労することが予想されています。
子どもたちの栄養不良は、東部のイトゥリ、南キヴ、タンガニーカの各州で依然として懸念されており、食生活の多様性が乏しく、医療へのアクセスが限られており、病気の発生が繰り返されていることが状況を悪化させています。
これらの地域以外でも栄養不良は広がっており、5歳未満児の半数近く、約320万人が慢性的な栄養不足により発育不良となっており、成長と発達に深刻な影響を及ぼしています。
WFPの活動概要
WFPは引き続き東部での対応に重点を置いていますが、ニーズの増大により、すでに逼迫している資源を圧倒する恐れがあります。WFPは2025年に230万人を支援する予定でしたが、資金不足のため、支援は現在60万人にまで縮小されており、2026年2月までにパイプラインが途絶えることが予想されています。
WFPコンゴ民主共和国のシンシア・ジョーンズ代表代行は、「私たちは、この放置された危機に対する資源が縮小しているにもかかわらず、政府および人道支援コミュニティとともにたゆまぬ努力を続けています」とし、「コンゴ民主共和国東部の食料危機は深刻化しています。緊急の資源と行動がなければ、何百万人もの命が危険にさらされ、地域の安定が損なわれます。取り返しのつかない事態になる前に、行動を起こすべきです」と警鐘を鳴らしています。
FAOの活動概要
「緊急農業支援は、緊急の人道的ニーズを満たすための最も費用対効果の高い方法の1つです」と、FAOコンゴ民主共和国事務所のアスマン・ムラビリ臨時代表は述べています。「脆弱な立場にある避難民の人びとに、自分たちで食料を栽培し収入を得るための手段を提供することで、差し迫った飢餓に対処するだけでなく、回復力も養うことができます。重要なのはコミュニティが一貫して、危機の際の最優先事項として農業支援を挙げていることです」。
しかし、2025年8月末までにFAOが支援したのは、巨額の資金難のため、計画された360万人のうちわずか21万7000人にとどまりました。FAOは2026年には支援規模を拡大し、約240万人を対象にするため1億2700万ドルを必要としています。
編集者向け注意:
高レベルの急性食料不安(または急性飢餓)とは、IPCフェーズ3以上の人口を指します。IPCフェーズ3(危機)およびフェーズ4(緊急)に分類される集団は、命を救い、食料消費の格差を減らし、生活を守るための緊急行動を必要としています。フェーズ3では、人びとはあまり好まない食品や栄養価の低い食品に頼ったり、食事を抜いたり、食料を買うために生産的資産を売却したりすることがあります。
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WFPについて
世界食糧計画(WFP)は、緊急時に人命を救い、食糧支援を利用して、紛争や災害、気候変動の影響から回復しつつある人々のために、平和、安定、繁栄への道を築く世界最大の人道支援組織です。
FAOについて
国連食糧農業機関(FAO)は、飢餓を撲滅するための国際的な取り組みを主導する専門機関です。より良い生産、栄養、環境、生活のために、効率的で包括的で、持続可能な農業食料システムを変革し、誰一人取り残さないことを目指しています。FAOの目標は、すべての人のための食料安全保障を達成し、人々が活動的で健康的な生活を送るのに十分な高品質の食料を定期的に入手できるようにすることです。