WFPは年末までに、6つの重要な支援活動が深刻な供給危機に直面する恐れがあると警告
【ローマ】WFPは本日、最も重要な人道支援活動のうち6件が、年末までに深刻な供給危機に直面する恐れがあると警告しました。これは世界的な人道支援資金が枯渇しつつある中で、さらなる命の危機を招く可能性があります。追加の資源が確保されなければ、世界的な飢餓が過去最悪の水準に達している今、何百万人もの脆弱な人びとが命を守るための食料支援を受けられなくなる恐れがあります。
同報告書によるとWFPによる食料支援の削減により、現在支援を受けている1,370万人が「危機的飢餓レベル(IPC3)」から「緊急飢餓レベル(IPC4)」へと悪化する可能性があり、これは全体の約3割増に相当します。
「世界は最も脆弱な数百万の命を脅かす、深刻な飢餓の波に直面しています。そして、私たちが対応するために必要な資金が枯渇しつつあるのです」とシンディ・マケイン事務局長は述べています。「配給が削減されるたびに子どもが空腹のまま眠りにつき、母親が食事を抜き、家族が生き延びるための支援を失うことになります。何百万人もの命を支えてきた命綱が、今まさに私たちの目の前で断ち切られようとしています」
危機に瀕する6つの重要支援活動
WFPが展開するアフガニスタン、コンゴ民主共和国、ハイチ、ソマリア、南スーダン、スーダンでの人道支援活動は大きな混乱に直面しており、年末にかけてさらに悪化する見通しです。配給の削減や支援対象者の縮小が、紛争、避難、気候変動の影響で打撃を受けている地域社会を直撃しており、特に子ども、女性、難民、国内避難民への影響が深刻です。
- アフガニスタン:栄養不良の割合が急増しているにもかかわらず、食料支援は必要量のわずか10%未満にしか届いていません。
- コンゴ民主共和国:飢餓が過去最悪の水準に達しており、今月の支援対象は当初予定だった230万人から60万人にまで縮小。2026年2月には完全に供給途絶の可能性もあります。
- ハイチ:温かい食事の提供プログラムはすでに停止され、人びとへの月間配給量は標準の半分に減らされています。
- ソマリア:支援規模は繰り返し縮小され、2024年11月には35万人にしか届かず、1年前の220万人から大幅に減少しています。
- 南スーダン:すべての支援対象者が配給量を減らされており、国内在庫の枯渇により10月から一部の食料品が欠品する見込みです。
- スーダン:現在、毎月400万人に食料支援を行っていますが、国内では全人口の半数にあたる2,500万人が深刻な食料不安に直面しています。
危機対応に不可欠な「備え」も損なわれています。WFPは、ハイチのハリケーン・シーズンに備えた緊急用の備蓄食料を2016年以来、初めて確保できていません。またアフガニスタンでは、冬の到来にもかかわらず事前の備蓄が行われていません。
記録的な飢餓とひっ迫する支援資源
世界の飢餓は過去最悪の水準に達しており、3億1,900万人が深刻な食料不安に直面しています。そのうち4,400万人は「緊急レベルの飢餓(IPC4)」に分類されています。現在、スーダンとガザ地区では同時に飢きんが発生しており、状況はさらに深刻です。さらに憂慮すべきは、「飢きん状態」「飢きん寸前」「壊滅的な飢餓レベル(IPC5)」に分類される人びとの数が、わずか2年で2倍の140万人に達していることです。
WFPの資金状況は、前例にない厳しさとなっています。2025年の予算は、前年の100億米ドルから40%減少し、64億米ドルにとどまる見通しです。
「WFPが果たすべき役割と実行可能なこととのギャップは、これまでで最も大きくなっています」と、マケイン事務局長は言います。「私たちは、飢餓との闘いで築いてきた数十年の成果を失う危機に直面しています。危機に陥っている国々だけの問題ではありません。食料支援とレジリエンス強化によって援助依存から脱却したサヘル地域の50万人への成果も、継続的な支援がなければ、まもなく失われてしまうかもしれません」
WFP、緊急対応を呼びかけ
支援削減の影響はWFPの各地で様々な形で現れていますが、ひとつだけ変わらないことがあります。それはWFPが、世界で最も飢餓に苦しむ地域に食料支援を届けるという使命に、引き続き尽力していることです。
マケイン事務局長は「WFPは、世界中で深刻な食料不安に直面している3億1,900万人すべての人びとのために、支援の必要性を訴え続けます」と強調します。「資金調達が可能な人数だけを対象にするのではありません。食料支援の削減によってもたらされる壊滅的な被害は、命を脅かすだけでなく、地域の安定を損ない、避難民の増加を招き、さらなる社会的・経済的混乱を引き起こす恐れがあります。迅速かつ効果的な食料支援は、すでに困難に直面している国々にとって、混乱を防ぐための重要な防波堤なのです」
世界的な食料危機に対する効果的な対応には、政府、地域の市民社会、民間・公共の支援団体、人道支援関係者など、あらゆる関係者による協力が不可欠です。WFPは重要な食料安全保障プログラムへの支援を強化するよう、すべての関係者に呼びかけています。数百万もの人びとの生活に前向きな変化をもたらす、具体的で意義ある成果を実現する可能性は、私たちの手の届くところにあります。
危機に瀕する6つの重要支援活動
アフガニスタン:
950万人が食料不安に直面しており、この数はさらに増加する恐れがあります。今後6か月間で6億2,200万米ドルの資金不足が見込まれており、11月には深刻な供給途絶が発生する可能性があります。冬季の人道支援において、WFPが支援対象者に到達できるのは、目標のわずか8%にとどまる見込みです。十分な支援が得られなければ、数百万人が厳しい冬を苦しみながら過ごすことになります。
コンゴ民主共和国:
国民の約4人に1人相当(2,800万人)が食料不安に直面しており、そのうち1,030万人は紛争の影響を受けている東部地域に集中しています。2025年、WFPは「緊急レベルの飢餓(IPC4)」に分類される230万人全員への支援を計画していましたが、資金不足により今年支援を受けられたのは100万人にとどまっています。さらに、10月からは支援対象が60万人にまで縮小される予定で、2026年2月には完全な供給途絶が懸念されています。今後6か月間で必要とされる資金は3億5,170万米ドルに上ります。支援がなければ、数百万人が命の危機にさらされる可能性があります。
ハイチ:
人口の半数以上にあたる570万人が深刻な食料不安に直面しています。資金の遅延により、WFPは最近避難した人々への温かい食事の提供を停止せざるを得ず、緊急レベルの飢餓(IPC4)にある人々への月間配給量も半減しています。今後6か月間で4,400万米ドルの資金不足が見込まれており、2026年初頭にはさらなる供給途絶が発生する可能性があります。この影響により、30万人以上への支援が困難になる恐れがあり、特に女性、子ども、避難民が深刻な打撃を受けることが懸念されています。
ソマリア:
440万人が深刻な食料不安に直面しています。11月から供給途絶が予想されており、WFPは緊急食料支援の対象者数を35万人にまで縮小せざるを得ない状況です。これは、今年4月に実施された初期の削減に続くもので、その際には支援対象者数が220万人から110万人へと半減しました。現在、今後6か月間で9,830万米ドルの資金不足が見込まれており、支援活動の継続が深刻な危機にさらされています。
南スーダン:
770万人が深刻な食料不安に直面しています。WFPは深刻な資金不足のもとで活動しており、支援の規模は制限され、緊急レベル(IPC4)および壊滅的レベル(IPC5)の飢餓にある地域への優先的支援を余儀なくされています。現在、WFPの食料支援を受けている270万人すべてが50〜70%の配給量しか受け取れておらず、10月以降は供給途絶の影響で、豆類、穀物、植物油、栄養補助食品など栄養不良の予防・治療に不可欠な主要食料品が支援食料品目から欠落する見込みです。今後6か月間で必要とされる資金は3億9,890万米ドルに上り、支援の継続には緊急の対応が求められています。
スーダン:
2,500万人(国民の半数)が深刻な飢餓に直面しており、一部地域では飢きんが確認されています。WFPは毎月平均420万人に食料支援を行っており、そのうち180万人は飢饉または飢饉のリスクがある地域に住んでいます。しかし、供給途絶が差し迫っており、飢餓の拡大を食い止めるためには、今後6か月間で6億米ドルの緊急資金が必要です。この資金が確保されれば、毎月約800万人への支援に拡大することが可能になります。これは、飢きんのさらなる拡大を防ぐために不可欠な対応です。
編集者への注記:
WFPの報告書「危機に瀕する命綱」によると、WFPのすべての支援活動における食料支援の削減により、世界で新たに1,370万人が「危機的飢餓レベル(IPC3)」から「緊急飢餓レベル(IPC4)」へと悪化する可能性があります。これは、IPC4に分類される人々の数が約3割増加することを意味します。この予測は、現在WFPの支援を受けている人々への影響のみを対象としており、他の要因(気候変動、紛争、経済不安など)による食料不安の悪化は含まれていません。
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世界食糧計画(WFP) は世界最大の人道支援機関であり、緊急時には命を救い、食料支援を通じて人々が紛争、災害、気候変動の影響から立ち直るための平和と安定、繁栄への道を築いています。