マダガスカルの農村コミュニティ開発に国連WFPと現地政府が連携
このプロジェクトは国連WFP協会を通じて日本の皆様からのご支援をいただいています。
革新的農村開発(Rapid Rural Transformation)イニシアティブのもと、国連WFPとパートナーは、農村地域に太陽光発電を搭載した地域センター、持続可能な水源地、ICTの導入を進め、人びとが、環境に責任を持ち、持続的なかたちで利用できるよう、エネルギー、水、デジタルプラットフォームを提供します。
地域当局が管理するセンターでは、さまざまなパートナーが、女性や若者に向けて、食料生産やビジネススキルの研修、デジタル講座などの総合的なコミュニティサービスを提供することができます。またセンターに設置された太陽光発電によって、点滴灌漑や水耕栽培が可能になり、農業生産を向上させます。
「この試験的プロジェクトでは、清潔な灌漑用水の供給、医療施設の運営、起業機会の拡大、農業バリューチェーンの構築を通じて、地理的に孤立した地域でも農村開発を促進していきます」と、アノシー県のジョセリン・ラハリンボラ知事は言います。「食料不足に長年悩まされてきましたが、緊急支援と国連WFPなどの機関との連携により、現場のデータは栄養状況の改善を示しています。」
マダガスカルは、世界で最も災害に弱い10カ国のひとつであり、アフリカで最もサイクロンの被害を受けやすい国と言われています。アンドロイ県とアノシー県は特に気候危機の影響を強く受けていて、5歳未満の子どもの慢性的な栄養不良の割合が高い地域です。この地域は、サイクロン、暴風雨、干ばつなどの異常気象の影響を受けています。
この革新的農村開発イニシアティブは、気候危機リスク軽減のための2つの戦略を組み合わせています。一つは、農業技術の向上によって継続的な食料生産を確保し、天然資源管理の改善を目指す戦略です。もう一つは、生計の多様化を進め、気候危機のショックに耐えられるようにするという戦略です。
「この取り組みは大きな変革をもたらします」と国連WFPマダガスカル国事務所のパスクワリナ・ディ・シリオ代表は話します。「政府と協力し、総合的なサービスを提供することで、農村地域の緊急のニーズに対応しながら、草の根レベルの開発を促進することができます。今後は、他の地域にもこの活動を広げていく予定です。 」
マダガスカル南部および南東部では、2023年4月までの収穫前の期間に、約220万人が高いレベルの食料不安(IPC 3および4)に陥っています。依然として多くの人びとが脆弱な状況にある南部では、国連WFPは政府やパートナーと協力しながら、革新的な取り組みやアプローチを通じて、危機対応、社会的保護、栄養不良予防、強靭な生計システムの確立に取り組んでいます。
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WFP国連世界食糧計画(国連WFP)は、世界最大の人道支援組織であり、緊急時に命を救い、食料支援を活用して、紛争や災害、気候変動の影響から立ち直った人びとのために平和、安定、繁栄への道筋を構築しています。
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