日本政府、WFPを通して15カ国へ113億円規模の食糧支援
横浜発
日本政府はWFPへ対して、およそ113億円の拠出を供与した。この拠出金は、アジア、アフリカの15カ国において、栄養不良児、妊婦、授乳中の母親など、最も弱い立場にある人々に、必要とされる栄養を強化する食糧支援活動および、アフガニスタン、ソマリア、コンゴ民主共和国における輸送活動に活用される。
WFP日本事務所代表代行の焼家直絵は、「日本政府から多額の拠出金を頂き、心より感謝致します。このような寛大なご支援は、日本政府が人間の安全保障と平和構築の実現へ真摯に取り組んでいるということのあらわれです。」と話した。
今回の拠出は、第二次補正予算の一部として国会に承認されたものである。対象国と拠出額は次の通り。
アフガニスタン(51億2千万円)、パキスタン(8億1千万円)、スーダン(13億5千万円)、ソマリア(8億1千万円)、エチオピア(6億3千万円)、コンゴ民主共和国(6億3千万円)、ケニア(5億9千万円)、ジンバブエ(3億6千万円)、チャド(2億7千万円)、ウガンダ(2億3千万円)、ジブチ(1億4千万円)、モザンビーク(1億4千万円)、中央アフリカ共和国(9千万円)、ブルンジ(9千万円)、ルワンダ(9千万円)
アフガニスタンとパキスタンへの拠出は、これらの地域において平和構築を推進しようとする日本政府の強いリーダーシップを示すものだ。日本政府からの拠出は、国内避難民、慢性的貧困に苦しむ家庭、栄養不足の子ども、元兵士、病人、老人などに対する食糧支援に活用される。さらに、灌漑施設や水路の整備といった事業に参加した人や職業訓練を受けた人々に見返りとして食糧を配給することも予定されている。こうした取り組みにより、地域の人々は技能を身につけたり、生活再建につながるインフラを手に入れたりすることができ、ひいては地域社会、国全体の復興に寄与する。
また、アフリカの13カ国へ供与された拠出金は、干ばつや洪水といった自然災害が原因で食糧事情が悪化した人々への支援に活用される。こうした自然災害は、途上国の貧困層にとりわけ大きな打撃を与え、特にサハラ砂漠以南のアフリカにおいて顕著とされる。気候変動や自然災害の増加により、すでに飢餓や不安定な食糧事情に陥っている国では事態が深刻化するとみられている。WFPは自然災害により深刻化している飢餓に対応するため食糧を配給すると共に、将来の危機に備えられるよう支援している。
輸送活動としては、アフガニスタンとコンゴ民主共和国における国連人道支援航空サービス(UNHAS)の運営事業に各2億7千万円が拠出される。国連人道支援航空サービスとは、WFPが人道支援機関に提供する旅客・貨物の航空輸送サービスである。さらに日本政府は、ソマリアにおける海運の要所である港の修繕事業も支援。こうした交通インフラの修繕事業は、同国における緊急支援活動で極めて重要な役割を果たす。