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日本人職員によるミャンマーからの緊急報告

日本人職員によるミャンマーからの緊急報告
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大型サイクロンに襲われたミャンマーの状況やWFPの支援について、現地より日本人職員・浅井なほ子が答えます。

質問:
被害の状況は?

浅井:
被災地では食糧や飲料水が手に入らない状況。避難場所やトイレなどの衛生設備も不足しており、疫病の流行も懸念されます。両親を亡くしたりはぐれてしまった子どもたちを保護することも必要です。また、インフラも大きな被害を受けており今後、人々の生活に深刻な影響をもたらしそうです。

質問:
WFPの支援はどの程度進んでいますか?

浅井:
WFPはヤンゴンに備蓄していた食糧800トンのうち690トンを被災地に送りました。今日はヤンゴンで高カロリービスケット7トンを配布しました。今後の支援に必要となる米や豆、塩などはミャンマー国内で調達し、食用油は輸入の予定です。

質問:
道路が寸断されるなど支援に困難が生じる中、WFPはどのような方法で支援活動を進めているのですか?

浅井:
ボートをたくさん用意し、水路で食糧を運んでいます。また、特にひどい被害を受けたエヤワディ管区の町、ラブッタには臨時事務所と食糧備蓄庫を設置する予定で、通信機器や職員を送り込み準備を進めています。

質問:
サイクロン以前は、WFPはミャンマーでどのような活動をしていたのですか?

浅井:
サイクロンに襲われた地域はもともと穀倉地帯で食糧が不足していなかったため、被災前は食糧支援を行っていませんでした。WFPが活動していたのは、食糧難にあえいでいた別の地域で、2007年には123万人に対し2万3千トンの食糧を配給しました。しかし、今回のサイクロン被害を受け、WFPは被災地に臨時事務所を設置し、被災者の方々に緊急食糧支援を行なっていく予定です。

質問:
資金は足りていますか?

浅井:
サイクロン以前よりミャンマーで行なっていた支援活動に対しては、必要な経費のうち3割しか資金が集まっていませんでした。今回の支援はWFPの「緊急対応口座」の資金を用いて行なっています。「緊急対応口座」とは、今回のような緊急事態が発生したときに、迅速に支援活動を行なうための特別口座で、各国からの拠出金で運営されています。しかし、今後、被災状況などの詳細を確認した上で、さらに大きな緊急支援プログラムを立ち上げ、必要資金を要請していくことになります。

質問:
今回のサイクロンは穀倉地帯を襲いましたが、どんな影響があると見られているのでしょうか?

浅井:
米の被害状況はまだよくわかっていませんが、一年の米の収穫のうち最も量が多いのは10月と11月の収穫分で、夏に収穫される分は一年の収穫量の2割を占めるに過ぎません。この夏の収穫分のちかなりの部分はサイクロン前に収穫を終えていたと見られます。米収穫量の大幅な減少は避けられていればいいのですが…。しかし、ヤンゴンの米業者の倉庫がサイクロンの直撃を受け、備蓄していた米がだめになってしまったとの未確認情報もあります。
ミャンマー国内には食糧難に苦しむ人々が500万人いますが、昨今の国際的な穀物高騰を受け、国内の米価格はこの一年未満で40%値上がりしています。WFPの食糧支援は最も弱い立場にいる人々にとって生命線です。皆さんの支援をどうぞよろしくお願いいたします。

原文(英語)はこちらをクリック↓
Q&A with Naho Asai

5月6日付のプレスリリースはこちらをクリック↓
サイクロン被害のミャンマーで食糧支援開始