紛争の影響により、エチオピア北部で食料支援を必要とする人が数百万人増加
アディスアベバ ― WFP国連世界食糧計画(国連WFP)は11月26日、紛争の直接的な影響により食料支援を必要とする人がエチオピアの北部全域で940万人まで増加したことを発表しました。
エチオピアで発生している紛争の最前線に位置するアムハラ州では、370万人が緊急的な人道支援を必要としています。エチオピア北部で支援を必要としている人の80%にあたる780万人が戦闘地域の反対側で生活しており、戦闘地域を越えて食料支援を届けることが不可欠となっています。
- 国連WFPは今週、合同緊急作戦(Joint Emergency Operation, JEOP)を代表して、アムハラ州の町、デシとコンボルチャに住む1万人を超える人びとに食料を届けました。約1ヶ月前にティグライ人勢力によって制圧されたこの地域に支援が届くのは、制圧以降初めての事です。国連WFPは、一週間前まで、この地域に所有する倉庫へのアクセスが許可されていませんでした。
- エチオピア北部の人びとの栄養状態は悪化を続けており、北部3州で行った検査のデータによると、子供たちの16%~28%が栄養不良に陥っています。さらに、アムハラ州とティグライ州で検査を受けた妊婦、および授乳中の母親の最大50%が栄養不良と診断されています。
- 国連WFPはこれまで、エチオピア北部に暮らす320万以上の人びとに緊急的な食料と栄養支援を届けました。このうち87万5,000人は、脆弱な立場にあるティグライ州とアムハラ州の母親と子どもたちで、栄養強化食品を届けています。
- 国連人道支援航空サービス(UNHAS)は、ティグライ州への運航を水曜日に再開しました。10月22日に安全保障上の問題が発生して以降、支援スタッフを地域の内外へ輸送しています。
- 国連WFPは、戦闘地域の反対側に暮らし、緊急に食料を必要としている780万人へ支援を届けるために、100万リットルの燃料を必要としています。ティグライ当局により、国連WFPが使用できる燃料がコンボルチャに用意され、食料支援の規模の拡大のために、すでに第一弾として4万5,000リットルの燃料がティグライ州に向かっています。
- 命を救う2,200トンの食料を載せたトラックの一団が、数日以内にメケレに到着します。すでに35台のトラックが到着しています。また、食料を積んだトラックが、コンボルチャからティグライ州南部へ向け11月26日に出発しました。
- アファール州とアムハラ州に対するティグライ人勢力の攻撃や、政府の作戦による封鎖のため、ティグライ州へのルートが閉鎖されていました。そのため、7月中旬以降にこの地域へ届けられた支援物資は、必要と試算された食料の3分の1にも及びません。
- 今回の食料支援では、ティグライ州の18万人へ支援を届けました。しかし、この人数は国連WFPが支援の目標とする250万人の7%に過ぎません。
- 国連WFPは、アムハラ州で22万人以上に食料と栄養支援を届けており、今後この人数を65万人とすべく活動を続けています。
- 国連WFPは現在までに、アファール州で、目標である53万4,000人に対し12万4,000人に食料を届けました。
- 今後6ヵ月間にわたってエチオピア北部へ支援を届けるために、国連WFPは緊急に3億1600万米ドルの資金を必要としています。また、エチオピア全域では、今後6ヶ月間で命を救い自立を促す支援を1,200万人に届けるための資金が5億7900万米ドル不足するという、前代未聞の状況に直面しています。
- 資金不足により、ソマリ州に滞在する71万人の難民や、食料不安を抱える240万の人びとに対する食料配給量の縮小などの影響が生じています。
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WFP国連世界食糧計画(国連WFP)は、2020年のノーベル平和賞を受賞しました。 私たちは世界最大の人道支援組織であり、緊急時に命を救い、食料支援を活用して、紛争や災害、気候変動の影響から立ち直った人々のために平和、安定、繁栄への道筋を構築しています。