クリスティーナ・アギレラが見た飢餓の現状 (中米・グアテマラ)
WFPの受益者の一人、コンセプシオンさん(右端)の説明を聞くクリスティーナ・アギレラさん。コンセプシオンさんは、WFPの支給する栄養強化食品「VitaCereal」は自分と家族にとって欠かせないと話す。(c)WFP/Antonio Lopez
グラミー賞受賞経験もある人気歌手、クリスティーナ・アギレラさんは最近、中米の国・グアテマラに行き、WFPの栄養強化プログラムの支援を受ける人々と出会った。この出会いは、飢餓の現状を自分の目で見てみたいと考えていたアギレラさんにとって、忘れがたい経験となった。
グアテマラ・シティー発
グアテマラの村でアギレラさんが出会ったのは、コンセプシオンさんという25歳の若い女性だ。コンセプシオンは小さな娘とともに暮らし、現在2人目の子どもを妊娠中。彼女に仕事はなく、夫は彼女を置いて家を出てしまった。彼女が受け取っている食糧は全てWFPから支給されたものだという。
アギレラさんは、「飢餓とはどういう状態を意味するのか、この目で見てみたいとずっと思っていました。一児の母として、私は、コンセプシオンさんのような若い母親が自分の子どもに食べさせるものすらろくにない様子を見て、胸が痛みます。」と話している。
栄養失調のひろがり
アギレラさんと夫のジョーダン・ブラットマンさんはWFPに同行し、アティトラン湖近辺のグアテマラ高地にある村を訪れた。この地域では、子どもの8割近くが栄養不足に陥っている。グアテマラは世界で4番目に栄養不足の子どもの割合が高い。
「WFPの職員は、子どもたちや母親たちを救う素晴らしい活動をしています。このような素晴らしいプロジェクトとチームに参加できる機会を与えてもらって、本当に感謝しています。」とアギレラさん。ブラットマンさんは、「今回の訪問は、人生を変える経験となりました。」と話した。
WFPはグアテマラ政府と連携し、およそ35万人へ食糧支援を行っている。支援の対象は主に女性と子どもたちだ。
「子どもたちに食糧を」
「WFPは女性と栄養不足の子ども15万人への食糧支援を続けるために、資金が早急に必要です。人々にこのことを知らせ、WFPへ寄付してくれるよう、呼びかけたいと思います。」アギレラさんは言う。
アギレラさんが出会った子どもの多くは、同じ年齢の子どもの平均値よりもずっと身長が低かった。これは、乳幼児期に十分な栄養を摂取できなかった結果である。
「2歳に達するまでに必要な栄養分を摂取できないと発達に障害が生じ、その障害からは一生涯回復することができません。今回の訪問で、健康な食事がいかに重要であるか、ということを学びました。」とアギレラさんはコメントした。