パキスタン・アフガニスタンで大洪水 食糧支援を拡大
イスラマバード発
ここ80年で最悪と言われる洪水が発生したパキスタン北西部で、WFP 国連世界食糧計画は1日、被災した人々に緊急食糧支援を開始した。最も被害の大きいペシャワール、マルダン、チャルサッダ、ノウシェラを中心に支援を拡大し、カイバル・パシュトゥンハ州全域で被害状況の調査を急いでいる。
ジョセット・シーランWFP事務局長は、「ここ3日間で、WFPは4万人以上の人々へ食糧配給を行いました。今後は、パキスタンとアフガニスタン両国にまたがって、最も被害の大きい地域を重点的に支援を拡大していきます。最大の課題は物資の輸送であり、WFPは職員を増員しているところです。」と話している。
最新支援状況
パキスタン
●今週中に合計25万人を対象に食糧配給を実施。
●高カロリービスケットや子ども向けの非常食など、1か月分の食糧を配給。
●WFPは、地域ごとの食糧支援の需要を調査中。現在の見通しでは、カイバル・パシュトゥンハ州で180万人に食糧支援が必要となる模様。
●パンジャブやバロチスタンでは2万世帯が家を失い、食糧支援が必要となる模様。
●洪水により道路や橋が損壊したため、支援物資の輸送は困難を極めている。
●国際社会からの緊急な支援が不可欠である。WFPの食糧倉庫も浸水被害に遭ったため、大量の備蓄食糧が使い物にならなくなってしまった。
アフガニスタン
●アフガニスタンでの支援に使われるWFPの食糧の実に8割は、パキスタンから運搬される。WFPは今年、アフガニスタンで700万人を対象に復興支援を行う予定だが、支援に使う予定だった食糧の一部がパキスタンの備蓄倉庫で浸水被害にあったため、大きな打撃を受けている。
●アフガニスタンで降雪が始まり厳しい冬が到来すると、雪で物資輸送が困難になるため、WFPは10月までに食糧を支援地に運ぶ予定だった。
●ここ数カ月でWFPは、アフガニスタン中央部と東部で発生した洪水の被災者およそ20万人へ支援を行った。今回の大雨でさらに5万人が被災した模様。
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