パキスタン　支援活動が拡大する一方で高まる必要性

イスラマバード発

WFPは、大洪水の被害が広がるパキスタンにおいて、悪天候や道路などのインフラの損壊により食糧配給が困難を極めるなか、支援活動を大幅に拡大している。

WFPは、先週末からパンジャブ州とシンド州において食糧配給を拡大しており、バロチスタン州では16日に配給を開始した。

道路や橋が壊滅的な被害を受けたことから、ヘリコプターが唯一の輸送手段である地域がほとんどである。トラックは大幅な迂回が必要なため、食糧配給ができるまでに時間がかかってしまうのが現状だ。

WFP駐パキスタン代表ウォルフガング・ヘルビンガーは、「より多くの人々に最短時間で食糧配給ができるよう、最善を尽くしています。特に、インフラが壊滅的な被害を受けたシンド州では、輸送活動は困難を極めています。WFPは被害状況の調査を終え、NGOとの提携のもと、少なくとも現在は安定した食糧配給を行っています」と話している。

17日までに、WFPは延べ100万人に1カ月分の食糧を配給する見込み。

継続的な食糧配給を続けるため、WFPは物流拠点と食糧倉庫をパンジャブ州とシンド州に新たに設置。WFPは現在、1回分の配給ができるだけの食糧備蓄があるが、9月以降にも支援活動を継続するにあたり、追加の資金が早急に必要である。現在、1億5千万米ドルの予算うち、およそ3千万米ドルが各国より拠出されている。

ヘルビンガー代表は、「食糧、トラック、ヘリコプター、そしてマンパワー、すべてにコストがかかります。WFPはパキスタンの人々を救済するため、今後も更なる支援を国際社会へ要請して行きます」と話している。

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