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国連諸機関・欧州委員会・米国国際開発庁による共同声明 ~西アフリカ・サヘル地域の状況悪化を受け迅速な連携行動を呼びかけ~

ローマ発
西アフリカのサハラ砂漠南縁に広がるサヘルという地域で、干ばつや食糧価格の高騰、内戦やそれに伴う人の移動などにより飢餓や栄養不良が拡がっている問題を受け、15日、国連諸機関や被災国、支援国・団体の代表はWFPローマ本部で緊急会合を開いた。



WFP/Rein Skullerud

会合に参加した代表者は、問題解決のためには今すぐ行動をとる必要があるとの意見で一致し、人道・復興・開発支援活動を緊急に拡大するよう国際社会に呼びかけた。

会合に出席した代表者たちは、特に女性や子供を中心とした何百万人もの被災者に対し、迅速かつ包括的で力強い支援を行う必要があると訴え、早期の復興支援と長期的な開発支援の両方が求められていると呼びかけた。

加えて、被災者に対する食糧・栄養支援を速やかに実施すると同時に、問題の根本的な原因となっている慢性的な干ばつへの対処と回復力の強化を目指した活動を支援していくことを確認した。これには、気候変動や経済の影響を受けやすい小規模農家の自立と回復力の向上を目指す活動も含まれる。

今回の会合で参加者たちは、早期の復興と持続的な開発を目指した基盤作りのための具体策に合意した。詳細は以下の通り。

被災各国および西アフリカ地域の諸機関が主体となって行う短期的な食糧・栄養関連の対処策をバックアップ。この対処策では人々の栄養状態の改善が望める。既存のセーフティーネットや食糧備蓄を活用し、また食糧増産を後押しする。

対象者を絞った上で行う緊急支援の実施。労働をした人に対する現金の配布や、食糧配給券の配布で地域市場の活性化と地産地消を推進。妊産婦と子どもを対象とした栄養強化食品の配給や、深刻な栄養不良に陥っている子どもへの治療用食品の配給も含む。

被害と人道的状況に関する正確な最新情報を素早く、また定期的に提供するための早期警戒情報システムの配備。

マリ内戦に伴う人々の移動に対する緊急かつ効果的な対応。

モーリタニアやニジェール、ブルキナファソは既に深刻な影響を受けている。

今後、食糧の備蓄が底をつく季節にさらなる人道危機が起きないよう緊急支援を行うとともに、干ばつや食糧不足の根本原因に対処し早期回復を後押しするための長期的な支援を実施。

繰り返し発生する食糧危機の構造的原因の解決を目指すサヘル地域の各国政府と地域機関の能力伸長支援。国連が定めるミレニアム開発目標、特に「2015年までに飢餓と貧困に苦しむ人口割合を半減させる」という目標の達成も含まれる。

サヘル地域全体における対応として、災害リスク削減と、地域における安全保障、紛争防止を目指した戦略の策定。

持続的な農業開発や小規模農家・畜産家への投資奨励、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の食糧備蓄システムの創設・運用を支援し、村・国・地域単位での災害対応力・回復力を高める。

国連諸機関や被災国政府、地域機関、NGO、市民団体、支援国および支援団体、その他開発パートナーの間における連携の強化。

サヘル地域で1000万人を超す被災者への緊急・復興・開発支援を実行するため、各支援国は活動資金を提供するための行動を起こす。

短期的(人道的)支援策と長期的支援策を統合させ包括的な戦略を策定するためのパートナーシップの構築。

特に食糧安全保障や社会保障に焦点を置いた災害リスク軽減策を、

各国の開発計画枠組みの柱として組み込む。

ローマでの会合に参加した代表と団体は以下の通り。

WFP 国連世界食糧計画、国際連合食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連開発計画(UNDP)、国連人道問題調整部(OCHA)、欧州委員会人道支援・市民保護局、国連児童基金(UNICEF)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、米国国際開発庁(USAID)、アフリカ連合(AU)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、ボランティア機関国際協会(ICVA)、各国政府