国連WFP事務局長、国際社会にシリア難民支援の継続を訴える
深刻な活動資金不足により、国連WFPは食糧支援を最大で50%も削減せざるをえない状況にあります。この支援縮小の影響により、何百万人ものシリア難民が置かれている状況は日に日に厳しさを増しています。難民の人々は、自分たちの子どもを学校から退学させたり、食事の回数を減らしたり、借金に頼ったりと、厳しい選択を迫られています。シリアの危機は去っておらず、ひきつづき支援が必要であると、カズン事務局長は国際社会に訴えています。
今回、カズン事務局長はベッカー高原(レバノン)のバラックや、アンマン(ヨルダン)の小さなアパートに過密状態で暮らしているシリア難民の家族を訪問し、こう語りました。「私が出会ったハルディヤという女性は8人の子どものシングルマザーで、わずかな持ち金のすべてが家族の食事代に消えてしまい、強制退去の危機に置かれています。また、やまない紛争のために才能を開花させられないシリア人の若者に会いました。紛争は彼らから教育の機会や子ども時代、夢を奪っています。」
さらに、カズン事務局長は難民受入国の負担について理解と感謝を示すと同時に、国連WFPがシリア難民に配布している電子マネーが利用できる現地の小売店を訪問しました。難民は電子マネーを用いて食品を購入することができます。国連WFPは、この「デジタル食糧支援」により、ヨルダンで50万人以上、レバノンで77万人のシリア難民を支援しています。このプログラムは、シリア難民を受け入れている周辺5か国(ヨルダン、レバノン、エジプト、トルコ、イラク)の経済に計11億米ドル(約1,368億円)以上を還元し、何千もの現地雇用をうみだしました。
しかし資金難は深刻で、国連WFPが、10月まで同5か国におけるシリア難民支援活動を続けるためには、1億6,300万米ドル(約203億円)がただちに必要です。
国連WFPの活動は、各国政府、民間企業や団体、個人の支援によりまかなわれています。2014年、国連WFPには全世界から53億8,000万米ドル(約6,689億円)の寄付金が寄せられました。これは前年と比較して27%も多く、シリアやイラク、南スーダンや、エボラ出血熱に襲われた西アフリカの国々などで、かつてないほど多くの緊急事態が発生したためです。しかしながら、支援の必要性は増す一方で、寄付金の増加ペースを上回っています。
皆様の温かいご支援をよろしくお願いします。
<寄付方法>
▼Webサイトから
▼お電話で 0120-496-819(通話料無料・年中無休)
▼ゆうちょ銀行から
口座番号:00290-8-37418 加入者名:国連WFP協会
※通信欄に「シリア緊急支援」とご記入ください。
▼手数料無料振込口座から
三菱東京UFJ銀行 店名:本店(店番001)
口座種類・口座番号:普通預金 0887110
口座名:トクヒ)コクレンWFPキヨウカイ
※シリア緊急支援の使途指定および領収書発行につきましては、お手数ですが国連WFPまでご連絡ください。
※国連WFPへのご寄付は寄付金控除の対象となります。詳しくはこちらをご確認ください。
【お問い合わせ】国連WFP
電話: 0120-496-819 9:00~18:00(通話料無料・年中無休)
携帯電話・PHSからもつながります。
<これまでの記事>
シリア難民の母、レバノンでの生活に希望を失う
資金不足でシリア難民への食糧支援を削減
食糧引換券がシリア難民の母の味を支える
避難生活を送るシリアの人々が、いま思うこと
シリア紛争開始から4年 ~10の事実~
シリア紛争、間もなく5年目に ~一人一日、一ドルの支援が命を守る~