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国際女性デーに寄せて

国際女性デーに寄せて
本日の国際女性の日に寄せて、国連WFP、国際連合食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国際開発法研究所(IDLO)の4機関のトップが共同声明を発表しました。

国際女性デーに寄せて

女性、暴力、および食糧安全保障の関連性について

以下はアーサリン・カズン国連WFP事務局長、ジョゼ・グラジアノ・ダ・シルバFAO事務局長、カナヨ・ヌワンゼIFAD総裁、アイリーン・カンIDLO事務局長による共同声明です。

 

 ローマ発

今年も国際女性の日(38日)を迎え、国際社会は、女性や女の子に対するあらゆる暴力をいかに撲滅し防止するかに注目しています。女性は食糧を生産し家族を食べさせる上で重要な役割を果たしてきましたが、今までジェンダー、暴力、そして食糧安全保障の関連性について注意が払われることはほとんどありませんでした。

性差別は女性の栄養不良や社会的地位の低下につながります。差別的な慣習が残っている農村地域では、ほとんどの場合、家庭の中でも食糧の分配に偏りが生じており、女性と女の子が食べられる食事は十分ではなく、また栄養価も低いものとなりがちです。

困窮している家庭では、飢饉が発生したら、まだ幼い子どもを嫁がせることで扶養する負担を減らすこともあります。難民の女性は食糧のために売春を強いられることもあります。また、女性は家族の食事を調理するために何時間もかけて蒔を集めることもあるため、襲われたり強姦されたりする危険が高くなります。さらに夫を亡くした妻には夫の残した土地を所有する権利が与えられず、国家の法律が女性よりも男性に有利になっているケースが頻繁に見られます。家庭内暴力は農作物の生産や家族の心身の健康に負の影響をもたらします。そのため自分自身と子どもを養うために必死に奮闘している女性にとって、食糧の安全保障は同時に、個人としての安全保障、そして法的な安全保障をも意味します。

私たちが団結し、女性の食糧安全保障を高めることができれば、その地域社会全体を豊かにすることができます。女の子が安全な環境で学校に行くことができると、彼女は心身の能力を最大限に発揮することができ、早すぎる結婚や強制された結婚をせずにすみます。女性が子どもの出生を正式に登録したり、法的に土地や収入を所有したりすることができれば、社会の利益や経済的発展にもつながります。

開発途上国において、女性は農業に従業する人口の40%以上を占めています。女性が、種、農機具、肥料等、農業を営むために必要なものを男性と同様に手にすることができるようになり、教育や公共サービスにおける女性の権利が平等になれば、食糧安全保障を達成し、人々の栄養状態を改善する上で非常に大きな礎となります。

女性と女の子の法的・経済的立場や権利を向上させることで発展がもたらされ、女性の政治的発言権が大きくなり、暴力に対する脆弱性が軽減されます。食糧安全保障は、女性にとって平和かつ平等な将来をつくるために不可欠な要素をつなげる重要な課題です。