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知花くららさん、ネパールの学校給食支援を視察

給食、水、パソコン
, WFP日本_レポート
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ネパールの学校給食を視察した知花くららさん。Photo:WFP/Kiyori Ueno

国連WFPの日本大使、知花くららさんは6月19~25日にネパールを訪れ、学校給食支援の現場を視察しました。訪問先は、北西部の山間地域にあるシタラム小学校。首都カトマンズから飛行機で1時間、車で8時間かけてたどり着いた知花さんは、子どもたちの大歓迎を受けました。

待ちに待った給食の時間。知花さんは栄養強化されたお米、豆を食用油と塩で煮て作った温かい食事を、子どもたち一人一人に配りました。

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子どもたちへ給食を配る知花さん

ネパールは、アジアで最も貧しい国の一つです。全国平均の識字率は66%、知花さんが訪れた農村部で60%と、教育の普及も遅れています。

国連WFPは、ネパール農村部の子どもたち約27万人に学校給食を提供。さらに一部の学校では、政府と協力して手洗い用の水、トイレ、ラップトップパソコンも配備し、衛生状態の改善から学習面まで一体的に支援しています。

シタラム小学校の校長先生は「給食のおかげで、子どもは授業の途中で家に帰ってしまうこともなくなったし、食べる前に手を洗うようにもなりました」と話しました。

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給食の前は、必ず手を洗います。

知花さんは、「子どもたちが学校に来て、お腹いっぱい食べ、熱心に勉強している姿を見られてとても嬉しいです。これまで国連WFPが活動する国を数多く訪れましたが、このプログラムはとても総合的で興味深いです」と話していました。

「持ち帰り食料」で女子急増

ネパールのような途上国では、女性に教育を受けさせることへの理解が先進国に比べて遅れています。シタラム小学校でも、国連WFPの給食支援が始まった21年前、男子28人に対して女子は3人しかいなかったといいます。

国連WFPは女子の就学率を高めるため、定められた出席率を満たした女子生徒に「持ち帰り食料」として家で使える食用油などを配っています。

支援の結果、シタラム小学校の生徒数は現在、男子58人、女子68人に。校長先生は、「持ち帰り食料のおかげで、今では女子のほうが多くなりました」と語ります。

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持ち帰り食料のおかげで、今ではたくさんの女の子が通っています。

知花さんは女の子たちに「勉強は好き?」、「何になりたい?」、「どんな風にお母さんのお手伝いをするの?」と、いろいろな質問を投げかけました。

シャイな子どもが多いネパール。日本からの訪問者にはにかみながら、それでも嬉しそうに「お医者さん」、「水汲みをしています」などと答えてくれました。

教育が「世界への窓」に

給食を食べた後は、パソコンのクラスです。お腹が満たされ、集中力が高まった子どもたちは熱心に画面を見つめて操作していました。そんな姿を見て知花さんは「パソコンの窓は、世界への窓だと思います。子どもたち、特に女の子たちが大きな夢を持って勉強を続け、将来なりたいものになれるように願っています」と語りました。

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真剣な目でパソコンに取り組む子どもたち

途上国の貧しい家庭の子どもは、重要な労働力として家に留め置かれがちです。国連WFPの学校給食支援は、子どもたちに必要な栄養を与えるだけでなく、子どもを通学させようという親の意欲をも引き出す力があります。子どもたちは教育を受け続けることで、より良い未来を築くことができるようになります。

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