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震災から1カ月 WFPの日本での支援活動

震災から1カ月 WFPの日本での支援活動
, WFP日本_レポート

震災発生から一カ月が経ちました。あらためて、東日本大震災で亡くなられた方と被災された方たちに、お悔やみとお見舞いを申し上げます。WFPは3月16日から日本で支援活動を行っています。その活動概要をまとめました。

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WFPは3月16日から日本で支援活動を行っています。その活動概要をまとめました。

WFPは主に食糧支援を行う国連機関ですが、実は国連随一の輸送集団でもあります。

食糧支援を行うのは、大災害や紛争に見舞われた国など、そもそも物資輸送が困難を極めるところが多く、WFPは毎日、飛行機60機、船40隻、トラック5000台を世界中でフル稼働させるとともに、車が入れないところではラクダや象などの動物の背に救援物資を載せたり、飛行機から空中投下するなどして、世界中のどんな場所にも、道なき道を行き、救援物資を届けています。

長年の物資輸送支援の経験を買われ、緊急支援を必要とするような事態が発生した時には、WFPは国連全体の支援物資輸送のリーダーとして国連諸機関やNGOを束ね、調整を行い、緊急支援物資輸送の全体指揮を執る役割を担っています。

そのような物資輸送のノウハウの蓄積を買われ、WFPは震災発生後、日本政府から物資輸送の面での支援要請を受け、3月16日に日本国内で支援活動を開始しました。具体的には次のような活動を行っています。

●各国から日本政府に送られた救援物資の一部を国内輸送。毛布・水・ご飯などを、成田空港や新潟港などから被災地に輸送しています。

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©WFP/Kojiro Nakai

●被災地で支援物資を一時保管するための可動式倉庫やプレハブ事務所を建設し、支援物資の物流拠点を設置しています。これらの可動式倉庫やプレハブ事務所は、被災した自治体や、そこで支援活動を行う援助団体等に提供しています。WFPは世界各国で、現地のNGO等の支援団体と協力関係にあり、今回も主にジャパン・プラットフォームという国際協力NGOの共同組織と連携し、その傘下のNGO等の支援活動をバックアップすることになりました。倉庫は、被災地に届けられる物資の保管用に絶対に必要ですが足りておらず、多くの要望を受けています。また、プレハブ事務所には、椅子・机・引き出しなど一通りのオフィス環境が整備されており、NGO等が支援活動を行いやすくなります。

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マレーシアにあるWFPの備蓄倉庫から届いた可動式倉庫。成田空港近くの倉庫にて ©WFP/Shoko Mitani

●このような可動式倉庫やプレハブ事務所の設置場所や個数は、現地を視察して必要性を調査した上で決めています。第一弾として、宮城県石巻市の専修大学および総合運動公園にて、倉庫計4棟・プレハブ事務所計5棟を建設しました。他の市町村でも同様の倉庫・事務所建設を行っていく予定で、建設用地の選定や地ならし、倉庫等の設備を利用する各種団体や自治体との調整などを進めています。

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可動式倉庫設置作業の様子。石巻市総合運動公園にて ©WFP/Naoe Yakiya
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専修大学に設置された倉庫。©WFP/Kojiro Nakai

●その他、宮城県の要請を受け、高カロリービスケット50トンをマレーシアにある人道支援物資備蓄庫から空輸し、石巻市と仙台市に届けました。

●これらの活動を行うため、物資輸送の専門家など15名の職員を世界中から日本に集め、派遣しました。現在、9名が被災地入りしており、残りは日帰りで被災地に出張するなどしながら、横浜にあるWFP日本事務所や東京出張所にて活動の全体指揮・後方支援にあたっています。

●日本での支援活動の総責任者は、WFPアジア地域局長を務める日本人職員、忍足謙朗(おしだりけんろう)です。忍足は、アジア全域のWFPの支援活動を統括する立場にあります。