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ケニア:貧困地区での学校給食が安心と夢につながる
, WFP日本_レポート

国連WFPは、首都ナイロビの貧困地区で、温かい学校給食を約82,000人の児童に提供しています。貧しい家庭のセーフティーネットとして、また、子どもが学校に通い続け、さらに進学できる環境をつくり、人々の未来や、地域経済の発展に大きな影響を与える学校給食。教員や保護者、児童に話を聞きました。

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©WFP/Challiss McDonough

ナイロビの非常に貧しいキベラ地区の中心にあるウッドリー・ナザレン小学校。教会によって運営されているこの小学校は、トタンで作られた簡素な家が連なるサラン・オンベ地区の中ではひと際目立ちます。他の建物と同じ木とトタンで校舎は作られていますが、 地区の中では数少ない2階建て以上の建物なのです。校舎を縦に伸ばすことで、この小学校では450人近い児童が通えるようにしています。 ウッドリー・ナザレン小学校に通うスタンリー・オヒアンボ君は、「給食があるから学校で勉強を続けることができます。家で何も食べられず、給食だけで一日を乗り切る子だっています。給食があるから、空腹を気にせず、集中して授業を受けられます」と話してくれました。将来、ジャーナリストになるのが夢のスタンリー君は、今年度で小学校を卒業します。夢を追いたいと、中学校への進学を希望しています。

家庭の食費削減に貢献 同小学校に通う児童の母親、エベリン・カンワロさんは、「貧困地区では、いつでも簡単に仕事が見つかるわけではありません。家計の節約につながる学校給食プログラムは、家族にとっても大きな助けになっています。」と語ります。また、学校給食が子どもの安全対策にもなっていることを教えてくれました。「以前は、親が仕事を探すため外出し、日没まで帰らない中、おなかを空かした子どもが昼休みの間、大人のいない家で過ごしていました。今では給食のおかげで子どもが途中で帰宅することなく、1日学校で過ごせるので、親としても安心できます。」 教頭を務めるチャールズ・ミンゴ先生は、以前を振り返り、「学校給食プログラムが始まる前は、就学する児童の数は少なく、学校に来る児童も空腹のため授業に集中することができていませんでした」と学校給食導入による変化を話します。

学校が独自に食材を購入できる現金での支援へ ウッドリー・ナザレン小学校は、ナイロビにおいて国連WFPが支援する92校のうちの1校です。国連WFPは2015年からケニアにおける学校給食支援の方法を徐々に食糧を直接学校に届ける方法から、給食用の食材を購入するための現金を学校に支給する方法に移行しています。これにより、小学校は独自に食材を購入し、多様な食材を使った給食を提供することができるようになりました。さらに、地元の市場で食材が購入されることで、地域経済の活性化にも寄与しています。

国連WFPは1980年から、ケニアでの学校給食プログラムを支援してきました。現在、国連WFPでは、ケニア政府が独自に学校給食プログラムを運営する能力強化を行っており、国連WFPの学校給食支援から卒業できるよう、現地政府へのプログラムの移換を徐々に進めています。

国連WFPの支援活動はすべて任意の拠出金や寄付金によってまかなわれています。子どもたちが学校に通い続けられるよう、引き続き、皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。