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タジキスタン: MAM治療が栄養不良の子どもを救う

日本のみなさまの支援により、タジキスタンでは多くの栄養不良の子どもたちが健康状態を改善できました。
サイードメア君と母親のマリカさんは、国連WFPの治療と支援に感謝しています。
サイードメア君と母親のマリカさんは、国連WFPの治療と支援に感謝しています。
Photo: WFP/Hamza Yormamadov

 母親のマリカさんは、サイードメア君がまだ1歳のとき、体重と身長が医学的な基準に達していないと告げられました。

母乳しか飲んでおらず、この年齢にしては十分に成長できていないとして、医師は低体重と診断したのです。

 

両親は、サイードメア君が同年代の子どもたちのように活発に動かず、ハイハイもせず、ミルク以外何も食べず、笑顔さえも少なくなっていることに気づいていました。

サイードメア君は日に日に弱っていきました。

 

タジキスタンでも有数の山岳地帯であるアイニ地区サンギストン村に、マリカさんと夫は8人の大家族で暮らしています。

2017年以降、この地区では7,000人以上の5歳未満児が低体重と確認され、毎年新たに確認される栄養不良の子どもがこのうちの38%以上を占めています。

 

サイードメア君をはじめとするアイニ地区の子どもたちが十分な体重を得られない大きな理由は、必要な栄養価の高い食事が提供されていないことです。

これは、社会的な理由だけでなく、経済的な理由もある複雑な問題です。

 

「私は正式に雇用されて働いているわけではありませんが、家の周りでやることがたくさんあります。

私の一日は、朝に牛の乳搾りをし、家を掃除し、家族のために食事を準備することから始まります。それから、草を刈り、牛を丘から降ろし、収穫などを夕方まで行います。

息子は私の義母と一緒に過ごします。息子に授乳ができるのは、私が家に帰ったときだけです」とマリカさんは説明します。

 

栄養不良の問題と、それに伴う子どもたちへの悪影響に対処するため、国連WFPタジキスタン事務所は、国連WFP協会[訳注:国連WFP協会は日本におけるWFPの公式支援窓口]の資金提供により、

中等度急性栄養不良(Moderate Acute Malnutrition:MAM)治療・予防プロジェクトを通じて、対象とする子どもたちに専用の補助食「スーパーシリアルプラス」の提供を開始しました。

2017年以降、アイニ地区で必要とされる人々にこの補助食を50トン以上配給しています。

 

登録された子どもは、地域の保健所の職員が専用の機器を使い、身長に対して体重が適正かどうかを検査します。

保護者の方にも、子どもの体重が増えないようであれば、保健所に連れてきて検査を受けるよう勧めています。

サイードメア君の身長と体重を測る医療従事者
サイードメア君の身長と体重を測る医療従事者
Photo: WFP/Hamza Yormamadov

「親御さんには、子どもの体重に気を配り、軽いと思われる場合は保健所に連れて行き、検査を受けていただくことを強くお勧めします。

消耗症は、治療が不可能な発育阻害を含め、将来的に子どもたちに多くの健康問題を引き起こす可能性があることを認識しなくてはなりません。

保健所は、地区内の栄養不良の子どもをすべて見つけて治療を受けさせるために懸命に働いていますが、それは簡単なことではありません」とアイニ地区の初期診療所の副主任、アンソール・シャムシエフさんは話します。

 

マリカさんが初めて保健所に来たとき、サイードメア君は1歳、体重は6kgで、身長に対して適正な体重ではないと医師により診断されました。

サイードメア君が中等度の栄養不良であることがわかると、すぐにMAMの治療プログラムに参加することになりました。

 

マリカさんは、スーパーシリアルプラスの調理方法と、息子に食べさせる頻度についてアドバイスを受けました。

サイードメア君は、この特別な栄養食品で治療を始めると、体重が増え始め、徐々に元気になっていきました。

 

マリカさんは、スーパーシリアルプラスをよりおいしく食べてもらおうと、お湯の代わりに牛乳で調理してみました。

サイードメア君はすでに牛乳に慣れていたため、新しい食事をすんなり受け入れました。

 

「体重が増えた息子を見て、私はとても嬉しかったです。家族全員が、息子がより活発に、より明るくなったことに気づいたのです。

今では、スープや野菜、果物、ヨーグルトなど、他の食べ物も食べるようになりました。

配給されたスーパーシリアルプラスで息子が健康を取り戻すことができ、とても嬉しく思います」とマリカさんは誇らしげに語っています。

 

マリカさんは、タジキスタンで国連WFPのMAM治療プロジェクトの恩恵を受けた数千人の母親の一人です。

このプロジェクトはアイニ地区のほか、ハトロン地域のクロブ地区、ボクタル地区、ジャロディニバルキ地区、ダスティ地区でも実施されており、毎月何トンものスーパーシリアルプラスが配給されています。2017年のプロジェクト開始以来、国連WFPはこの5つの対象地区で3万人以上の子どもたちを支援してきました。

このプロジェクトは、5歳未満の子どもの健康状態全般を大幅に改善し、対象者の生活の質に好影響を与えています。

 

MAM治療プロジェクトに加え、国連WFPは社会的行動変容コミュニケーション(Social Behaviour Change Communication:SBCC)活動も開始し、正しい手指衛生の遵守、食用油の消費削減、保存用野菜の範囲拡大など、人々の行動にプラスの影響を与えることを目指しています。

これらのプロジェクトは、栄養不良の予防と、サイードメア君のような子どもたちや彼らを取り巻く人々の健康状態の改善を目指して実施されています。

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