スーダン:紛争で家を失ったお茶売りの女性が、家族を飢えから救うまで
「行き先も考えずに未知の世界に逃げました」と、アワデヤ・マフムードさんは、爆撃音で10人の家族が目を覚ました4月の夜について語ります。首都のハルツーム南部に住むマフムードさんの家族と近隣の人々は爆撃音に耐え切れず、夜明けまでにハルツームから退避しました。
WFP国連世界食糧計画(国連WFP)は4月15日に同国で紛争が勃発して以来、5歳未満の子ども40,000人、妊婦、授乳中の女性を含む150万人に重要な物資を供給しています。しかし治安状況の悪化により、国連WFPが今年予定している630万人に到達することがますます困難になっています。
In Chad, as in Sudan, tragic stories and soaring needs
爆撃から2日後、マフムードさんと彼女の子供たちはジャジーラ州のアルベジール村にたどり着きました。
「紛争で家族全員が避難しても、子供たちは恐怖から癒されることはありませんでした」と彼女は回想します。「子供たちは食べることも、飲むことも拒みました。ただ泣いていました」。
当時、家族はお金がなく、安全な場所への旅のためにできる限りの持ち物を売らなければなりませんでした。お茶売りの女性ケータリング業者の協同組合の代表であり、自身もお茶売り業者の一人であるマフムードさんは語ります。「私は近所の人たちと一緒に家を出て、ワド・マダニに着く前にアルバゲール(村)に到着しました」。
「家族を安全な場所に連れて行くために、持ち物(の多く)を売らなければなりませんでした」と彼女は言います。
スーダンで続く紛争は、現在作付けシーズンの最中にあり、すでに肥料や種子の価格高騰への対応に苦慮している農民を苦しめています。
マフムードさんと彼女の隣人たちが家から186キロ離れたマダニに到着したとき、寝る場所を見つけることさえ非常に困難でした。街はすでに首都ハルツームからの避難民でいっぱいでした。幸運にも、彼女と一緒に到着した37人の子供を含む家族は、すし詰めでもどうにか一緒に住む家を見つけました。
基本的な生活基盤が整備されても、飢餓の問題は継続しています。国連WFPによれば、スーダンの人口の3分の1は、戦争前から食料難に陥っていました。
「私たちは深い苦しみを味わいました。食料不足をはじめ、発熱やはしかで苦しむ子供たちもいました」とマフムードさんは言います。
彼女は、国連WFPがマダニ市に設置した新たな活動場所を通じて支援した24,606人のうちの一人です。
マフムードさんは自分の技術を生かし、国連WFPの食料を使って、避難民仲間のために料理を作り始めました。
「小麦粉と油と黄色エンドウ豆をもらいましたので、今私たちはおなか一杯食べることができます。」彼女と一緒に逃げた家族について彼女はこう語ります。
ジャジーラ州は、国連WFPが過去数か月に支援した18州のうちの14州のひとつであり、ナイル川州と白ナイル州の両州と並んで初めての支援となります。
多くの人々がハルツームから無事に脱出した一方で、何千もの家族が食料やその他の基本的なニーズが満たせない紛争地域に閉じ込められたままです。「私の協同組合だけでも150,000人の組合員がいます。国連WFPが彼らを助けることができることを願っています」とマフムードさんは言ます。
「国連WFPがやっていることは簡単ではありません。人々のために食料を世界中から動員しているのですから。それはスーダンで私たちが最も必要としていることです。」とマフムードさんは言います。
「人道的ニーズは記録的なレベルに達しており、紛争が終結する兆しはまだ見られません」と、エディ・ロウ国連WFPスーダン事務所代表は言います。
スーダン危機の影響で、地域全体で飢餓が増加
「国連WFPはスーダンの何百万人もの人々に救命支援を提供するために可能な限りのことをしていますが、治安の悪さとアクセスの制約により、特にハルツームと西ダルフールでは、より多くの人々に手を差し伸べることが制限されています。」
この紛争は、全国の重要なインフラに深刻な被害をもたらし、食料、水、現金、燃料、医療、その他の基本的サービスへのアクセスを分断しました。さらに、破壊され略奪された市場、交通網、機能不全に陥った市場により、食料の入手がより困難になっています。
西ダルフールでは、市民に対する民族的暴力が報告され、状況は憂慮すべきものとなっています。治安の悪化により、スーダンで最も食料が不足している州への人道的アクセスはほぼ不可能となっています。
国連WFPは、マフムードさんや彼女の家族のような紛争の影響を受けた人々への緊急救命支援を確保するため、スーダンでの活動に4億1,000万米ドルを緊急に必要としています。