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紛争によりコンゴ民主共和国東部で避難民と飢餓が増加:国連WFPが緊急対応を呼び掛け

国連WFPコンゴ民主共和国事務所代表「一刻の猶予もありません」
, WFP Staff
Man pushes wheelchair laden with belongings
避難するゴマ近郊のカンヤルチニャ・キャンプの住民。戦闘により、この北キブ州の州都は機能不全に陥っています。 WFP/Moses Sawasawa 

国連WFPは、コンゴ民主共和国東部で激しい砲撃を含む戦闘により数十万人が避難民キャンプに避難している事態を受け、国際社会に緊急対応の必要性を呼びかけました。2025年1月27日までに、激化した暴力が東部最大の都市・ゴマを覆いました。

 A displaced woman carries her child through rubble-strewn streets, belongings wrapped in cloth, as families flee conflict in eastern DR Congo
銃声や砲撃の音が響く中、人びとは安全な場所を求めて長距離を歩いて避難します。移動中は、きれいな水はほとんど手に入りません。 WFP/Moses Sawasawa

「ゴマの陥落は、北キブ州で起こりうる最悪の事態です」と、ピーター・ムソコ国連WFPコンゴ民主共和国事務所代表は話します。
「これは、都市中心部に、非常に困窮し、支援を求める弱い立場の人びとが大勢発生したことを意味します。私たちは、その中で、最も支援を必要としている人びとを特定するという、非常に困難な課題に直面しています。」

国連WFPは状況を注視し、可能な限り支援物資を届けるよう努めています。「今は安全が最優先事項です」とムソコ代表は言います。目標は、北キブ州、南キブ州、イトゥリ州の80万人に支援物資を届けることです。東部のこの3つの東部州では、今回の危機以前から510万人が避難を強いられていました。

A man rides a heavily loaded motorbike through a crowded street, carrying mattresses and belongings, as others follow
東部の北キブ州、南キブ州、イトゥリ州では、すでに500万人以上が避難しています。 WFP/Moses Sawasawa

A woman with her belongings strapped to her back and a baby to her front walks down a road as a motorcycle passes
こうした危機の矢面に立たされるのは女性と子どもたちです。コンゴ民主共和国にはジェンダーにまつわる暴力の恐ろしい過去があります。 WFP/Moses Sawasawa

人びとは、親戚のいる避難所に向かい、持ち運べるすべての持ち物を持って長距離を歩いて避難しますが、その環境は劣悪です。寝具、医薬品、食料、きれいな水などが必要ですが、性暴力が蔓延しているこの国では、女性や女児は特に危険にさらされています。

食料不安の程度を計測する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」によれば、最近の紛争の激化以前、国内の2,560万人のほぼ4分の1近くがすでに、5段階のうちのフェーズ3「急性食料不安」およびフェーズ4「人道的危機」に陥っていました。今後5か月間で、5歳未満の子ども450万人と妊婦および授乳中の女性370万人が急性栄養不良に陥ると予想されています。

A woman at a WFP distribution sight looks at the camera holding a yellow jerrycan over her head and a big USAID tin
12月にゴマ近郊の避難民キャンプで行われた国連WFPの食料配給。 WFP/Barbara Pereira Mendes

An evacuating woman in a red headscarf carries a bucket as a motorcycle laden with belongings passes by
近年、多くの人びとが何度も避難を余儀なくされています。国連WFPは、コンゴ民主共和国東部の80万人に緊急支援物資を届けることを目指しています。 WFP/Moses Sawasawa

Evacuating people on the side of the road waiting with three lambs in the foreground
貴重な家畜を連れてゴマを離れる人びと WFP/Moses Sawasawa

ムソコ代表が金曜日にゴマを離れたとき、国連WFPはまだ支援活動を続けていました。「正午ごろ、全員を事務所に呼び戻さなければなりませんでした。状況が急変し、事態が予測不可能になり始めたのです」とムソコ代表は語ります。

「今、私たちに必要なのは、この悪化する危機を食い止め、迅速に行動するための緊急資金であり、再び私たちが現地入りする前までに必要です。行動を起こすことによって希望の光をともす必要があります。」

そのためには、支援者が支援に踏み切る必要があります。支援なしでは、「コンゴ民主共和国東部で甚大な被害が発生するだけでなく、地域全体、さらにはアフリカ大陸全体に被害が拡大するでしょう。」

Displaced adults and children walk along the side of a road carrying belongings
国連WFPは、コンゴ民主共和国東部で人びとへの支援を6月まで継続するために、4億1000万米ドルを要請しています。 WFP/Moses Sawasawa

A tired looking man on a motorcycle laden with a double mattress rides by, followed by others
ゴマの陥落により、人びとは人道的にも最悪の状況に直面しています。WFP/Moses Sawasawa

ムソコ代表はさらに次のように付け加えました。「コンゴ民主共和国は忘れ去られています。人びとはそれを非常に複雑だと感じています。しかし、あまりにも多くの人が亡くなり、あまりにも多くの人が苦しんでいます。不必要な紛争が、不必要な苦しみをもたらしています。国際社会が団結して『もうたくさんだ』と言う必要があります。」

国連WFPは6月までコンゴ民主共和国全域で活動を継続するために4億1000万米ドルを必要としています。この資金により、栄養支援、学校給食支援、女性農家や小規模事業者を支援するプロジェクトを実施し、最もニーズの高い東部の一部地域で毎月150万人への支援を強化することができます。

「一刻の猶予もありません」とムソコ代表は言います。

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