飢餓が深刻化するコンゴ民主共和国:国連WFPの地域局長が状況打破に向け連携した取り組みを呼びかけ

コンゴ民主共和国の東部では、暴力が記録的な飢餓と避難民の増加を引き起こす中、一致団結した力強い行動があれば、アフリカで2番目に大きいこの国の暗い状況を変えることができると、国連WFPの地域局長は信じています。
国連WFP東部・南部アフリカ地域局長のエリック・パーディソンは、「地域、国、国際レベルで、すべてのパートナーが一つになる必要があります」と語り、関係当局や地域で活動する人道支援団体のより強力な連携を求めています。
「この国の状況を知ってもらえるよう、声を上げる政府が必要です」とパーディソン局長は続けます。「コンゴ民主共和国の危機は長らく忘れられてきました。今こそ国際社会が立ち上がり、この国の人びとの困難やニーズに寄り添うべきです。」
パーディソン局長の呼びかけの背景には、この国で2800万人が深刻な飢餓に直面しているという厳しい現実があります。これは過去最多の人数で、昨年9月から10%増加しています。東部での武力衝突や社会不安により、全国で780万人が住む場所を追われ、これも過去最多の水準となっています。数万人が近隣諸国に避難しており、地域の資源を圧迫しています。

道路状況が悪く、東部では危険で不安定な情勢が続き、数十万人もの人びとが避難する中にあっても、国連WFPは今年これまでに、最も飢餓が深刻な100万人以上のコンゴの人びとに食料と栄養支援を届けてきました。
さらなる資金と協調した行動があれば、「国連WFPは状況を改善できる」とパーディソン局長は言います。「パートナーや被支援者からの信頼もあります。そして、最も支援を必要としている人びとに手を差し伸べ続けなければなりません。」
しかし、資金が滞れば状況は厳しくなります。さらなる寄付がなければ、国連WFPが現在支援している人びとのうちおよそ半数への食料支援を、わずか数週間以内に停止せざるを得なくなる可能性があるのです。
パーディソン局長は、今年初めに激しい暴力に見舞われたコンゴ民主共和国北キブ州の州都ゴマから現地の状況を伝えました。数週間にわたる激しい戦闘により、銀行や学校は閉鎖され、農家は作付けができず、生活必需品の価格は急騰しました。

現在、ゴマでは少なくとも店や学校が再開しています。紛争によって避難していた人びとも一部帰宅し始めています。町にはかろうじて平穏が保たれており、パーディソン局長は「希望も戻ってきた」と言います。
平和が重要
ゴマ周辺の避難民のための国連WFP食料配給拠点では、ベルナデットさん(安全のため本名は伏せています)が、とうもろこし、豆、植物油を受け取り、感謝の言葉を口にしました。
「神様に感謝します。どうかもっと多くの支援が届きますように」と話す彼女は、ゴマの北東に位置するマシシ地区の混乱から家族とともに逃れてきた未亡人で、夫は避難中に命を落としました。現在は日雇いの仕事でなんとか子どもたちを養っています。
かつては農家だった彼女は、また家に帰り、作物を育てたいと言います。「そうすれば子どもたちの学費を支払い、教育を受けさせることができます。そしていつか、私を支えてくれるようになるでしょう。」

現在、コンゴ民主共和国の東部全域で、大勢の人びとがぎりぎりの生活を送っています。シファさんもその一人です。コンゴ民主共和国東部の北キブ州、南キブ州、イトゥリ州、タンガニーカ州の4州では、現在800万人近くが深刻な飢餓に直面しており、昨年12月から21%増加しています。さらに230万人が、IPCの食料不足の水準として2番目に深刻な状態であり、危機的な飢餓状態を示すフェーズ4に直面しています。
「世界は、コンゴ民主共和国の現状に対して、他の緊急事態ほどの関心や対応を示していないように思います」と、パーディソン局長は語ります。コンゴは、世界で2番目に大きな熱帯雨林と豊富な鉱物資源を誇る国でありながら、深刻な飢餓の危機に見舞われています。
飢餓が深刻化する中、国連WFPは最も飢えに苦しむ人びとに食料を届けるとともに、妊娠中や授乳中の母親、そして幼い子どもたちに対して、特別の栄養支援も行っています。国連WFPは学校給食や持ち帰り用の食料支援を何万人もの児童に届けており、数千の家庭に対して、持続可能な形で生計を立て直すためのツールも提供しています。

「コンゴ民主共和国には希望があります」とパーディソン局長は言います。「資源に恵まれた国ですから、持続可能な平和が訪れれば、実現できるはずです。」
チャドやマリなど、困難な環境で豊富な経験を持つ訓練を受けたパイロットであるパーディソン局長は、20年前、別の紛争からの復興途上にあったコンゴ民主共和国で国連WFPの活動を開始しました。
「平和の断層は絶えず変化し、財源は確実に厳しくなっていますが、人びとの意志と力は変わりません」と彼は語ります。
国連WFPをはじめとする人道支援団体にとって、コンゴ民主共和国の現在の危機を軽減することは、あくまで第一歩に過ぎません。「長期的には、持続可能な発展に向けて取り組む必要があります」とパーディソン局長。「それには政府やすべての関係者の協力が必要です。」
「平和を実現するためには、全員にとって有利な状況が必要です」と彼は付け加えました。

国連WFPは、2025年10月まで緊急支援活動を継続するために、緊急で4億3300万米ドルの資金を必要としています。追加の資金がなければ、支援を必要とする人びとの半数以上への支援が停止される可能性があります。
国連WFPのコンゴ民主共和国東部の危機への対応は、ベルギー、カナダ、デンマーク、欧州連合、ドイツ、フランス、日本、ノルウェー、南アフリカ、スウェーデン、スイス、UNCERF、英国、米国、そして民間企業パートナーであるStop Hunger、マスターカード財団、AJRAM財団などからの支援を受けています。