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深刻な食料不安に陥る国が増加中、国連の飢餓のホットスポット報告書が警告

FAOと国連WFPは、18か国でさらに状況が悪化し、紛争、気候変動、経済的ショックによって合計22か国が深刻な危機に陥ると予想しています。
, WFP Editorial Team
110万人を支援するためブルキナファソ北部のティタオに着陸した国連WFP人道支援航空サービスのヘリ。
110万人を支援するためブルキナファソ北部のティタオに着陸した国連WFP人道支援航空サービスのヘリ。Photo: WFP/Cheick Omar Bandaogo

「家を追われ、家畜や生計の手段を失った人々が、生きていくためにWFP国連世界食糧計画(国連WFP)の支援を切実に必要としています」--先日、ソマリアを訪れたマイケル・ダンフォード国連WFP東アフリカ地域局長は、ソマリアの状況をこのように表現しました。

ビデオ:「飢餓のホットスポット」報告書は、人道支援の緊急の必要性を示している。

この言葉は、ブルキナファソ、ハイチ、マリ、スーダンにも当てはまり、これらの国々はアフガニスタンナイジェリア南スーダンソマリアイエメンと並んで、国連の最新の「飢餓のホットスポット」報告書で最高レベルの警戒レベルに引き上げられました。

国連WFPとFAO国連食糧農業機関(FAO)が定期的に作成しているこの報告書によると、ホットスポットと呼ばれる国は現在合計22か国で、前回の18か国から増加しています。「私は状況がさらに悪化することを恐れています」、とダンフォード局長は話します。「昨年と同じレベルの人道支援を維持することができなければ、私たちが支援できる人数と支援を必要とする人数のギャップはさらに拡大するでしょう。」

EUが支援する「中央サヘルにおける食料危機」プロジェクトの一環として、ニジェールのティラベリ地方ウアラムで乳児用の栄養強化小麦粉が作られています。Flour fortified for infants is prepared in Ouallam, in the Tillabery region of Niger. Photo: WFP/Richart Mbouet
EUが支援する「中央サヘルにおける食料危機」プロジェクトの一環として、ニジェールのティラベリ地方ウアラムで乳児用の栄養強化小麦粉が作られています。 Photo: WFP/Richard Mbouet

5月29日(月)に発表された報告書「飢餓のホットスポット - 深刻な食料不安に関するFAO-WFPの早期警告」は、6月から11月にかけて深刻な飢餓の悪化が予想されるホットスポットと呼ばれる国々において、人びとの生命と生活を救い、餓死を防ぐための緊急人道支援を呼びかけています。

ブルキナファソのクングーシ近郊で、強化小麦粉で作ったお粥を食べる子ども。
ブルキナファソのクングーシ近郊で、強化小麦粉で作ったお粥を食べる子ども。Photo: WFP/Cheick Omar Bandaogo

これは、今後数か月の間に再びエルニーニョ現象(太平洋中部と東部の海表面が暖まる一時的な気候現象)が発生し、世界中の脆弱な国々で気候危機が引き起こされることが懸念される中、発表されたものです。

「世界中のより多くの場所でより多くの人々が飢えに苦しんでいるだけでなく、彼らが直面する飢餓の深刻さはかつてないほど悪化しています」とシンディ・マケイン国連WFP事務局長は述べます。

「この報告書は、私たちが今、人々の命を救い、気候変動への適応を助け、飢きんを防ぐために行動しなければならないことを明示しています。さもなければ、結果は壊滅的なものになるでしょう」とマケイン事務局長は警告しています。

スーダンでの紛争が7週目に入る中、同報告書は近隣諸国に波及するリスクを強調しています。この状況は、同報告書が飢餓の22の拠点と特定しているマリとブルキナファソの中央サヘル諸国にも当てはまります。

同報告書は、避難先を求めて家を追われた人々や彼らを受け入れている人々の間で、大規模な人口移動と飢餓が発生することを警告しています。今後スーダンでは100万人以上が国外に脱出し、国内ではさらに250万人が今後数か月の間に深刻な飢餓に直面すると予想されています。

チャド東部のコウフラウンでスーダンからの難民を受け入れる国連WFPとUNHCRの職員。
チャド東部のコウフラウンでスーダンからの難民を受け入れる国連WFPとUNHCRの職員。Photo: WFP/Jacques David

同報告書によると、ポートスーダンを出入りする商業・救援物資の供給ルートは治安の悪化により途絶え、人道支援の流れや地域の救援活動を危うくしています。貿易、国境を越えた商業活動、サプライチェーンの混乱は、さまざまな国で価格の上昇とインフレを加速させ、外貨準備高を枯渇させるリスクもあります。特に南スーダンは、重要な石油輸出だけでなく、商業および人道的輸入の両方でポートスーダンに大きく依存しています。

アフガニスタンのカブールにある国連WFPの現金と食料引換券の配給所。
アフガニスタンのカブールにある国連WFPの現金と食料引換券の配給所。Photo: WFP/Danijela Milic

ホットスポットと呼ばれる国の中で最も高いレベルにある国々は、コミュニティが飢餓に直面しているか、深刻な悪化要因の中ですでに緊急レベルの食料不安があることを考えると、今後壊滅的な状況に陥ると予想されています。

中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、エチオピア、ケニア、パキスタン、シリアは非常に高い懸念があるホットスポットであり、警戒はミャンマーにも拡大されています。これらの国はすべて、深刻な急性食料不安に直面している人々が多く、今後数か月で人々の生命を脅かす状況がさらに強まることが予想されます。ホットスポットのリストには、すでにリストアップされていたマラウイと中米(エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア)に加え、レバノンが追加されました。

5月にポートスーダンにある学校で行われた国連WFPの食料配給の様子。
5月にポートスーダンにある学校で行われた国連WFPの食料配給の様子。 Photo: WFP/Lumia Elhag

同報告書は、深刻な飢餓と栄養不良のさらなる悪化を回避するために、人命を救い、飢きんを防ぎ、生計を守るための即時の緊急対応の優先事項と、予測的な行動に関する具体的な提言を国ごとにまとめています。

人道的行動は、特に最も警戒レベルの高いホットスポットにおいて、飢餓と死を防ぐ上で極めて重要です。しかし、同報告書は、人道的アクセスは、治安の悪さ、官僚的な障壁、移動制限によって制約を受けており、国際的な人道支援組織にとって大きな課題となっていると指摘しています。

同報告書はまた、人道支援や開発支援において、予測可能な災害が本格的な人道的災害にならないよう、予測的な行動を強化することの重要性を強調しています。

ダンフォード局長はこう訴えます。「私たちは支援を必要としており、それも今すぐ必要なのです」。

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