スーダンでの飢えと戦闘から逃れるため、母親たちはあらゆる危険を冒してエジプトに向かう
5人の子を持つ母アイエシャも88,000人のスーダン人避難民のひとりで、政府によればスーダンで4月15日に内戦が勃発したあとエジプトにたどり着いたとのこと。
一家は首都ハルツームから国境まで、冷凍トラックの荷台で危険きわまる4日間の旅をしました。このとんでもない方法を取らざるを得なかったのは、安全な旅をする費用があまりに高額だったからです。
昼間は気温が45度まで上り、換気はほとんどなく、アイエシャがどうにか持って来たわずかな食料でしのぎました。
「子どもたちは暑さと狭さでとてつもなく辛い思いをしましたが、そうするしかなかったのです。生き残るためには逃げなければならず、賄える輸送手段はそれだけだったのです」とアスワンに無事にたどり着いた1週間後、アイエシャは言いました。
6週間前に避難民が流入し始めてから、国連WFPは2箇所の国境で必須栄養食品のパッケージで到着した人びとを迎えてきました。優に9万人分を超える量です。
アルジーンとクストールの国境地点ではスーダン側でバスの車列が大勢の旅客の事務処理を行うために待っています。ここでは2日間かかることもあるため、家族たちは入国するまで国境で、わずかな食料と水で夜を過ごさなければなりません。
エジプトにたどり着いた人びとの多くはほとんど手持ちがなく、次にどこへ向かえばいいかもわかりません。
スーダンから来た女性と子どもはエジプトに入国するのにビザは不要ですが、16歳から49歳までの男性にはビザが必要です。そのため女性の多くは夫を国に残して子連れで逃避行をしなければなりませんでした。
なかには費用が高額なため子どもたちを連れていくことができず、再会する方法を見つけだそうとしている人たちもいます。
オム・カルソームもそのひとりです。彼女は最も難しい決断を迫られました。2人の娘のうちどちらを安全な場所に連れて行きどちらを置いていくのか。
3週間近くエジプトにいる彼女たちスーダン人女性は、受け取った乾燥食品をすべて取り置いています。スーダンに帰るバスで子どもたちに送るためです。
国連WFPは今後も国境線での食料支援を続けますが、内戦からの避難者の基本的ニーズをより継続的に満たすためには、いずれは長期の支援が必要になる状況です。
国連WFPは今週、スーダンの危機から避難してきて食料不足と栄養不良にことのほか陥りやすい人びとに不可欠な支援を行うため、緊急現金支援を開始しました。
これにより、避難民の母親たちやその他の弱い立場の人びとは最も基本的な需要を満たすことができるようになり、何を買うか選べるようになり、ひいては地域経済への貢献が期待できます。
スーダンからの避難民に緊急食料および現金支援を6か月間行うために、国連WFPエジプトは1,670万米ドルを必要としています。国連WFPは物流および共益事業によって人道支援団体を支援する用意ができています。それにはさらに60万米ドルが必要です。