コロナウイルス:国連WFPは困難に立ち向かう
国連機関はパンデミック対策へ向け専門性とインフラを結集させます
常に最も困難な緊急事態の最前線に身を置く組織として、国連WFPは新型コロナウイルス(Covid-19)の世界的流行に対して既に支援を実施しており、非常に不安定な環境において任務を遂行できるよう計画を柔軟に適応させています。危機的状況の原因が紛争であっても、災害であっても、または近年にあったエボラ熱の拡散にみられるような健康危機であっても、WFPは常に支援のため体制を整え待機しています。
「幾千万もの人々の生死が私たちにかかっています。」国連WFP事務局長デイビッド・ビーズリーは新型コロナウイルスのパンデミックが世界的な懸念事項に掲げられたその週に語りました。「我々はいま立ち上がり、彼らのためにその場にいなくてはなりません。」
即座の対策
今回のパンデミックに対する数々の即応的対策の一つとして、WFPは中国政府によるウイルスの拡散を軽減させるための試みをサポートするため、感染の震源地である湖北省の病院へ救命医療機器を輸送、提供しました。
ウイルスによる痛烈な被害を被った国の一つであるイランにおいて、WFPは日本からの温かな寄付によって、イラン赤新月社の2,000名以上のスタッフ及びボランティア向けにマスク、手袋及び防護服などの防護器具を2ヵ月相当支給できることになりました。物資は今後数週間以内にドバイにある国連人道支援物資備蓄庫(UNHRD)からイランへ空輸される予定です。
WFPはまたアフガニスタンとイラクに渡って居住する両国の難民31,000名に向け、パンデミックの間必要な食料が一定のレベルを満たす水準で支給されるように、食料と現金を支援し続ける予定です。
その他にも、WFPは各国政府の準備と対策を支援しており~一例としてはエルサルバドルがあり、WFPは、政府が倉庫を設置するため、そして検疫所に寄付された物資の保管と配送のための技術的・経済的支援を実施しています。また、WFPは孤立した人々に栄養価の高い食料がいきわたるように協力機関と綿密に連携を取りながら即時食料支援を実施しています。
次への備え
ウイルスの拡散についての懸念が増大する中~そして拡散を封じ込めるための保護対策が講じられるにつれ~食料システムにおいてもその影響が及ぶ可能性があります。WFPは長年の専門的経験を活かし、マーケット、サプライチェーン、そして価格の監視を行っています。
WFPの分析はさらに脆弱性を抱える地域の割り出しにも及び、場所のみならず、特に数十各国での学校閉鎖により影響を受けている学校給食支援のように、そこで実施されているプログラムにも及んでいます。というのも、世界中で学校閉鎖が広がるにつれ、数百万の子どもたちが普段学校でもらっている栄養価の高い食事や軽食を食べられなくなっているのです。
サプライチェーンの破綻、食料不足、価格の高騰の各可能性ついて収集されたデータが、WFPにとっての今年の支援目標である8,600万の人々が必要なタイミングで食料支援を受け取ることができることを確実にするために、役立ちます。
食料を確保する~そして必要に応じて現金支給またはその逆に切り替える柔軟性を持つことが確実に食料を届ける鍵となります。WFPは近年、予め食料を備蓄することで社会不安による貿易や移動の制限、それ以外の障害においても食料に容易にアクセスできいつでも利用できる様に備えています。
重要な協力関係
このような事態において、十分かつ柔軟に使える資金があると、円滑なオペレーションを続けるための緊急対応を計画することが可能になります。WFPは援助各国政府と定期的な対話を保ちながら変化を遂げる状況についてアップデートを伝え、脆弱な立場にある人々に対しての生命線となる食料支援が確実に供給されるための資金援助の優先度に関する正しい決断がなされるようにしています。
WFPはロジスティクスならびに緊急時の通信支援の主導機関として、ウイルスへの対応に協調する他の国連機関ならびに人道支援機関が必要となればその専門性とインフラを提供する用意ができています。これまでの世界的危機では無二の存在として、戦略的に位置づけられたUNHRDの活用と共にWFPは重要物資の世界に向けた集荷集配の場として位置付けられています。