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国連WFPトルコのアンカラ事務所長を務める橋本のぞみは、トルコへ逃れた人々への食糧支援としての現金支給における重要な役割を担っています。現在、アンカラ事務所は、トルコ国内の43の県に暮らす約45万人への対応を行っています。これまで、国連WFPで働き始めて8年、ウガンダや南スーダンなどの緊急支援の現場で支援に携わってきた橋本に、トルコにおける支援活動について聞きました。
―国連WFPアンカラ事務所が担っている、役割は?
アンカラ事務所では、トルコに逃れた人々に対する現金支給を行っています。国連WFPの重要な役割の一つがモニタリングです。そのため、現地視察は欠かせません。アンカラ事務所は、43の県を管轄しており、広範囲にわたって約45万人の難民・避難民が暮らしています。そのため、各地域を視察することで事業の進捗を分析することは大切な業務であり、可能な限り現地に足を運ぶようにしています。
―現地視察を通して、印象に残っている出来事はありますか?
トルコのある地域を視察した際、その地域では、国連WFPの支援事業が開始する以前から、地域のコミュニティーが避難してきた人々を自主的に支援していたのです。ある家族の家を訪問し、国連WFPの支援が始まるまで、どのように家賃を工面していたのかを尋ねると、地元の人が使っていない家に無料で泊めてくれていたのだそうです。絶望的な状況ではあったものの、家具なども近隣の人が譲ってくれるなど、温かい支援を受けていたと話してくれました。実際、このような話は珍しくなく、いろいろなところで耳にしました。もちろん国連WFPの支援やトルコ政府の努力も重要ですが、一般のトルコ人の支援も大きな助けとなっているのです。
―トルコについて伝えたいメッセージはありますか?
現在トルコは、300万人の難民・避難民を受け入れています。その事がどれほど重要であるか、そして、トルコの人々の日常生活にどのような影響を与えているのかを知ってください。国連WFPは、トルコ政府、トルコ赤新月社(TRC)、そしてトルコの人々と協力して難民・避難民に対する支援を行っています。様々な立場の人々が一生懸命、互いに助け合いながら、支援事業に取り組んでいます。一部の銀行は週末にも支店を開けて事業が進むようにし、現地政府もトルコ赤新月社もなるべく多くの支援ができるよう努力を重ねています。 アンカラ事務所は2016年12月に開設されたばかりで、私を含めて14名が1から立ち上げた新しい事務所です。日々、やりがいと同時に、現場ではどんなことも起こりうる、ということを実感しています。人々の生活が、私たちの働きにかかっていることを肝に銘じつつ、柔軟に、素早い支援を心がけていきます。