ギニア:HIV陽性の母親への栄養支援
ジャミラトさんは第一子妊娠時にHIV陽性であることが発覚しました。大きなショックを受けて呆然としていた折、友人から勧められたのが、国連WFPが支援する診療所に行くことでした。通院をはじめた結果、2人の健康な子どもを授かることができ、今は仕事復帰のための準備を始めています。
ジャミラトさんは34歳。西アフリカに位置するギニアの首都コナクリの郊外に住んでいます。彼女は毎週「ドリームセンター」と呼ばれる診療所に通っています。ここではHIV陽性者に対する治療やアドバイスが提供されており、国連WFPによる食糧支援も行われています。
ジャミラトさんがHIV陽性であることを告げられたのは、彼女が第一子妊娠中の事です。「いつも体調が悪かったので病院にいきました」とジャミラトさん。
そして検査の後、医師からHIV陽性の事実を告げられたのです。「最初はものすごくショックで信じられませんでした。自分がHIVに感染するなんて想像もしていなかったのです。」
ショックを受けたジャミラトさんに、彼女の友人がドリームセンターに通うよう助言したことが人生の転機になりました。
「ここに来る前は体重も落ちて元気もなく、薬を買うお金もありませんでした」とジャミラトさんは言います。しかしこの診療所に通うようになったことでジャミラトさんは危険度の高い妊娠を乗り越え、帝王切開で出産するための支援とアドバイスも受ける事ができました。「健康な子どもを2人も授かれた事を本当に感謝しています。息子のアルファは3歳、娘のマリアマは5か月になりました。センターでは娘を健康に育てることができるよう、栄養教育も受けています。」
ジャミラトさんが診療所に来るようになってから2年。栄養状態と健康状態は安定しています。「帝王切開の傷が治るまでは休んでいなければなりませんが、治ったらすぐに仕事を再開して家族を支えたいです」とジャミラトさんは語っています。
ドリームセンターでコーディネーターとして働くファトゥマタさんは、栄養支援の必要性を「HIVと共に生きる人々は免疫機能が衰えてしまうため、栄養摂取の必要性がより高くなっています。薬だけでなく栄養価の高い食糧を提供する事で治療の効果を高めることができるのです。また、食糧が提供されることで、定期的に通院する動機づけも強まります。」と説明します。
ドリームセンターではジャミラトさんのようなHIV陽性者650人以上が、毎月支援を受けています。国連WFPでは、HIV陽性者自身にはビタミンやミネラルが豊富に含まれた栄養強化粉、そしてその家族にも米や栄養強化油を配給しています。