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5月20日~21日、スティーブン・アンダーソン 国連WFP日本事務所代表と忍足謙朗 国連WFP協会顧問(元国連WFPアジア局長)が熊本を訪問し、避難所の状況や国連WFPが現地に建てた大型可動式倉庫、そして職員が派遣されている全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)などを視察しました。
大津町では、国連WFPの大型可動式倉庫は支援物資の保管倉庫として使用されており、水などの救援物資がパレットの上に整然と積み上げられていました。国連WFPの倉庫は幅10m×長さ24mと大きく、その建設に際しては多くの人手が必要になりますが、大津町役場の職員の方々のお力をお借りして建設されました。
国連WFPの倉庫ができるまでは、地元の中学校が支援物資の保管場所となっていましたが、倉庫ができたことで支援物資の移動先が決まり、5月の大型連休後の中学校の再開がスムーズになったとのことです。この倉庫は今回の視察中に正式に大津町へと引渡され、家入勲 大津町長より感謝の言葉が述べられました。
一方、嘉島町では、国連WFPの倉庫はボランティア・センターとして使用されています。全国各地から毎日70名近くが訪れ、ボランティアの登録を行い、担当作業の割り振りや説明が行われていました。
忍足顧問は、「国連WFPの大型可動式倉庫ほど大きく丈夫な可動式倉庫は日本ではあまり作られていないため、役に立っているようで幸いです。嘉島町や大津町の町長、そして実際に使用して頂いている方々から感謝のお声を頂きました。」と述べました。
また、二人は、行政やNPO・ボランティア団体をつなぐ役割を担う、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)も訪問しました。JVOADには、国連WFPの職員が出向し、支援の調整にあたっています。今後、ますます効果的に国連WFPが支援をできるように、意見交換が行われました。
忍足顧問は、「職員は支援活動の専門家として、熊本でも支援活動の調整に役立っていると感じました。」と述べました。
アンダーソン代表は、「熊本を訪問し、被害の甚大さに、改めて衝撃を覚えました。しかし、その一方で、行政や民間企業、NPO、ボランティア団体などが、それぞれの分野でリーダーシップを発揮し、復興活動や避難所の人々の生活環境の改善に尽力される様子を目の当たりにし、大きな感銘を受けました。国連WFPの支援は、被災地のニーズに的確に対応できるよう、現地の人々との協議の上で進められました。今回の視察で、被災者の方々のお話を伺い、また、ともに支援活動を行う関係者との話し合いを経て、倉庫などの国連WFPの物流支援や、JVOADへの職員の派遣は、現地で高く評価されていると感じました。」と述べました。