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飢餓、女子教育、そしてアフガニスタンでの国連WFPの活動が重要な理由

アフガニスタンではドナーからの支援で冬の間飢きんを回避できましたが、国連WFPのアフガニスタン事務所メアリー・エレン・マクグロアーティ代表が、今後も支援が継続されるべき理由を説明しています。
, WFP Staff
WFP is designing programmes to support Afghanistan's smallholder farmers and feeding children at the same time. In the picture, a girl holds a piece of bread from the Bread+ project, which gives children midday snacks and will grow to work with 1100 local bakers. Photo: WFP/Sadeq Naseri
国連WFPはアフガニスタンの小規模農家を支援し、同時に子どもたちに食事を提供するプログラムを運営しています。 写真のBread+プロジェクトでは子どもたちに正午のおやつを提供しています。今後プロジェクトは拡大し、9月までに1,100の地元のパン屋と協業する予定です。

 Photo: WFP/Sadeq Naseri

食料不安の世界基準である総合的食料安全保障レベル分類(IPC)によると、アフガニスタンの人口のほぼ半分(1970万人)が深刻な飢餓に直面しています。 ただし、この数字は6月から11月の間に1890万に減少すると予想されています。

その理由として、5月から8月にかけて小麦の収穫期であることや、人道的食料支援の協調的な拡大がなされていること、そして支援者からの寛大な寄付によって促進された農業生計支援が増加していることなどがあげられます。

しかし、それにもかかわらず国の継続的な干ばつと経済危機が相まって、前例のないレベルの飢餓が国中の何百万もの人びとの命と生活を脅かし続けることが示唆されています。

国連WFPのアフガニスタン事務所のメアリー・エレン・マクグロアーティ代表は、国連WFPが同国の最も弱い立場にいる人びとに手を差し伸べるために必要な資金を確保できるよう望んでいます。

WFP Afghanistan country director
カブールの食料配給所にいるメアリー・エレン・マクグロアーテ。 Photo: Shelley Thakral



彼女は、厳しい冬の間は寄付によって飢きんを回避できたと信じていますが、彼女が最も恐れているのは、その寄付が減少してしまうことです。

「ドナーと国際社会の寛大さによって、人びとは自分の土地、コミュニティ、家にとどまることができました。しかし、かつてない水準の飢餓がアフガニスタンとその国民を襲い続けているため、支援は継続されなければなりません。食料支援と緊急の生活支援は彼らの生命線です。 (中略) 私たちは世界最大の人道的食料支援を実施、2021年8月以来、1600万人以上の人びとに支援を提供しました。農家、製粉業者、製パン業者と協力し、女性に職業訓練を提供し、地域経済を支える雇用を創出しています。」とマクグロアーティ代表は言います。

A distribution point in Mazar-i-Sharif in March
3月のマザリシャリフの配給場所。 Photo: WFP/Ziauddin Safi

「アフガニスタンの人びとは人道支援を受けることよりも仕事をすることを望んでいます。そのため国連WFPはアフガニスタン全土で女性の職業技能訓練を行っています。働きたい女性すべてが働ける社会であるべきでです。経済が正常に機能するようにすることが危機を脱する最も確実な方法です。そうでなければ、作物が育たないところに苦しみが生まれるでしょう。」

また、彼女はこう付け加えます。「住んでいる場所にもよりますが、収穫は今月末、6月、7月までありません。昨年よりも良い収穫になることを望んでいますが、土地の多くはすでに抵当に入ってしまっているはずです。というのも、人びとは生計のために借金をしており、個人負債が途方もない額になっているからです。」


マクグロアーティ代表は国連WFPの姉妹機関である国連食糧農業機関(FAO)について、「種子をコミュニティに届け、農家の手に渡すという点で非常に大きな役割を果たしました」と言います。しかし、国の一部では干ばつが続くと思われる兆候があり、すべての農家が種子を入手できたわけではありません。「多くの世帯は種子を買うことができませんでした」とマクグロアーティ代表は言います。

Children at school in Nangahar province holding up Bread +. Photo: WFP/Sadeq Naseri
Bread+のパンを持ったナンガハール州の学校の子どもたち。Photo: WFP/Sadeq Naseri

「国連WFPや他の国連機関が実施するレジリエンスプログラムは、人びとの生活基盤を作り、民間部門が投資するための条件を整えています。それにより、やがて人びとがその日暮らしの生活から抜け出せるよう後押ししています」と彼女は付け加えます。「農村部でも都市部でも、そして中産階級、労働者階級、貧困層を問わず、いまや誰もが同じ状況にあるのです。」

「何十年も紛争を生き抜いてきた年配の人たちは、人道支援の列に並ぶのは初めてだと言います。」

「私たちは、緊急の飢餓のニーズに応えるだけでなく、経済的な影響ももたらすプログラムを設計しています。学校給食の例では「Bread+」というプロジェクトを立ち上げたばかりです。小規模農家と加工業者が、小麦、大豆、クルミ、レッドレーズンなど、地元の食材を使って小麦粉を作っています。これらはすべて、アフガニスタンのためにアフガニスタンで作られた製品です。」

「国連WFPは9月末までに、220のベーカリーと1100人のパン職人(女性のパン職人を含む)と協力してパンを製造する予定です。そうすることによって、人びとは仕事と生活基盤を得ることができ、同時に子どもたちを学校に通わせることができるのです。」

 

食料不足が深刻化している今、生徒へ食事を提供する国連WFPの支援は非常に重要です。Bread+などの取り組みにより、子どもたちはエネルギー、タンパク質、微量栄養素を補給してたくましく成長し、集中して学習できるようになります。

Girls in Afghanistan
1月にカンダハールで開催されたコミュニティ教育イニシアチブで栄養強化ビスケットを持った少女。Photo: WFP/Sadeq Naseri

また、学校給食は家族が子どもたちを学校に通わせることを後押しします。アフガニスタンの若い少年少女は国の未来です。そのため、特に看護、助産、医療など女性が強く必要とされる救命サービスを考えると、まさに女子の中等教育を受ける権利が制限されることは憂慮すべきことなのです。国連WFPは、少年少女が教育を受ける基本的な権利の支援に引き続き取り組んでいきます。

「この国で悪化する人道的危機を回避するために、女性と少女は、教え、学び、そして医療を提供することができるようになる必要があるのです。私たちはアフガニスタンのすべての女性、男性、少年、少女に手を差し伸べる必要があり、女性がこの取り組みに参加できるようにする必要があります」とマクグロアーティ代表は言います。

A girl in Afganistan
1月にヘラートの病院で国連WFPから受け取った栄養補助食品パックを持っている女の子。Photo: WFP/Sadeq Naseri

アフガニスタンは近年、頻繁に大洪水から極度の干ばつに至るまでの気候変動に見舞われているため、国連WFPはアフガニスタンで食料の確保や入手にとって重要な気候適応プログラムを拡大しています。「国連WFPは、人びとが気候変動によって受ける影響を緩和できるように、6,000ヘクタール以上の土地を灌漑によって耕作できるようにし、家族やコミュニティが自分たちのために食料を栽培できるようにしました」と彼女は言います。「国連WFPはまた、パートナーと協力して130kmの灌漑用水路を建設し、コミュニティを支援しています。」

国連WFPは、2022年までに人びとのニーズを満たすために、今後6ヶ月間で5億8800万米ドルの資金を必要としています。マクグロアーティ代表は、「この資金は、女性とともに女性のために行う支援プログラムや、女性への支援と連帯のプラットフォームなど、さまざまな活動に必要な資金なのです」と言います。

「私たちはアフガニスタンの人びとが主体性を持ち続けるかたちで、支援をしなければなりません。この最初のトラウマを乗り越えれば、国の行く末を決めるのは彼らなのですから。」

 

Balkh-Province-
11月、バルフ州を走行している国連WFPの輸送隊。 Photo: WFP/Julian Frank

毎月より多くの人びとに食料を届けるため、国連WFPは毎日300台以上のトラックを配備し、倉庫からアフガニスタンの最も遠隔の山岳地帯にある2000以上の食料配給所まで食料を届ける手助けをしています。今年、国連WFPは29万6000トンの食料をアフガニスタン全土の人びとに届け、現金と商品引換券の形で1億1330万米ドルを送金しました。国連WFPの支援は、地域経済への現金注入・雇用の提供・地元ビジネスの支援に貢献し、月の平均で5580万ドルの地域経済へのインパクトをもたらしています。

 

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