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国連WFPがエンパワーメントを支援する5人の女性と5つの方法

, WFP日本_レポート

カンボジア、エジプト、エルサルバドル、ケニア、マダガスカルから、国連WFPがどのように人々の生活を変えているかについての報告です。

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イエメンは国連WFPが女性のエンパワーメントに力を注いでいる国のひとつです。Photo: WFP/Annabel Symington

女性は世界の人口の半分強を占めていますが、世界中のあらゆる場所で資源や教育への不平等なアクセスに苦しんでいます。

世界的に見ても、女性は男性よりも飢餓と食料不安に苦しむ傾向があります。

しかし、飢餓を終わらせるためには、女性の力も重要な要素となります。

実際、女性の農民が必要な農機具や資源に平等にアクセスできるようになれば、現在飢餓と貧困に苦しんでいる人々の数を最大1億5000万人減らすことができます。

国連WFPは、不平等を減らし、女性が生計を立てる手段を手に入れる際に存在する障壁をなくすことに力を入れています。

1.サイイダ(エジプト):国連WFPの女性起業支援

サイイダ・ケナウィさんは40歳の3児の母です。彼女のビジネスは、家の外に作った間に合わせの屋台から始まりました。

しかし、国連WFPからマイクロローンと研修を受けたサイイダさんは、実店舗へと事業を拡大することができました。

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お店の前で焼きたてのパンのパテを積み上げるサイイダさん。Photo: WFP/Mohamed Gamal

サイイダさんのビジネスは、始めのころは軌道に乗りませんでした。

しかし、息子が国連WFPの支援を受けている学校に入った後、彼女と夫は毎月の現金支援を受けることになり、これが彼女の家族を支援すると同時に大きな励みになりました。

母親たちには、小規模事業を始めたり、既存のビジネスを成長させたりするための研修やマイクロローンを受ける機会が与えられています。

現在、サイイダさんのお店は高速道路の近くにあり、2つの学校、教会、郵便局、公民館の近くにあります。

「私のお店は最高のロケーションにあります。研修で学んだことをすべて応用し、今では焼きたてのパンを買ってきてここで袋詰めして販売していますが、パンが届くと同時に売り切れてしまうこともあります。近所の人も学校の生徒もみんな、朝に私が店を開くのを待っていてくれます。お店を開くのが遅くなったり、閉まっていたりすると、いつ開くのか電話で聞いてくるんですよ。」と彼女は嬉しそうに話します。

「お金が必要な時でも、お店の蓄えから切り崩す必要はないくらい繁盛しています。」

現在、サイイダさんは彼女が望んでいたよりもはるかに多くの余裕があります。彼女には借金がなく、子どもたちのシャイマー、モハメド、アブダラを育てるのに必要な金額をすべて自分で稼ぐことができます。

2.マリー(ケニア):国連WFPによる前進のための食料購入

マリー・アカマイスさんは46歳のスモールビジネスのオーナーです。彼女はケニア北部のロドワール郊外に住んでいます。4人の母であり、6人の孫がいます。

彼女の家族は半エーカーの灌漑地を耕作しており、年間最大18袋のモロコシを収穫できます。それぞれの重さは50kgです。

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ケニア北部トゥルカナ郡でモロコシを収穫するマリーさん。Photo: WFP/Scarlett O'Sullivan

マリーさんは以前国連WFPの食料支援を受けていましたが、現在は国連WFPの「前進のための食料購入プログラム」に参加しています。

このイニシアチブは、半数近くが女性である小規模農家の生産性を向上させ、ビジネスを成長させるための研修やツールを提供しています。

このトレーニングは、女性が自分の家族の生活を改善し、経済的に自立し、地元の市場にアクセスできるようになるのに役立ちます。

マリーさんは現在、自分自身と彼女の12人の家族を養うだけでなく、国連WFPに多くのモロコシを供給し、他の多くの家族の支援にも一役買っています。

彼女は今ではコミュニティの柱であり、大所帯となった彼女の親戚縁者と近隣の人々を彼女の農場で雇用するのに十分な収入を得られるようになるまで、ビジネスを拡大することができました。

ケオ(カンボジア):国連WFPによる地元産食材の学校給食支援

ケオ・ホーンさんは、カンボジア出身の39歳の4人の母親で小規模農業を営んでいます。

彼女は夫と一緒に、地元コミュニティの助けを借りて農園で働き、インゲン、スイカ、ナス、唐辛子️とひょうたんを育てています。

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ケオさんはカンボジアの39歳の小規模農家で、夫と一緒にインゲン、スイカ、ナス、唐辛子️とひょうたんを育てています。 Photo: WFP/Ana Opris

ケオさんは、国連WFPの地元産食材の学校給食支援に参加しています。このプログラムは、農家と学校を結び、地元で調達した多様で栄養価の高い食材を毎日の学校給食に提供するものです。

学校は、地域の農家に確実な商品供給先を提供し、安定した収入と投資の拡大、生産性の向上につながっています。

子どもたちは健康的でバラエティーのある食生活を送ることができます。これにより、子どもたちは学校に行き、知識を得て、大人になってからより多くの収入を得る仕事につく可能性が高まります。

ケオさんは、学校の子どもたちに自分が育てた作物で作られた食事を提供し、子どもたちの健康と明るい未来の可能性を開くことに貢献しています。

マリララ(マダガスカル):国連WFPのコミュニティ農園

マリララさんは、マダガスカルのイタンポロ州マハタンギーにある国連WFP支援の女性協同組合の農園で働いています。

ここはマダガスカル最大のコミュニティ農園で、新鮮な野菜の種類も豊富です。

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国連WFPが支援するマダガスカルの女性協同組合で、母親のマリララさんを手伝う5歳のマーシーちゃん。WFP/Cassandra Prena

農園で働く前は、マリララさんは森に行って木材を集め、売る仕事をしていました。

彼女の家庭は経済的な不安に直面することがよくありましたが、農園での仕事のおかげで、今では家族を養い、収入を得て子どもたちを学校に通わせることができるようになりました。

マハタンギーのコミュニティ農園は、2017年に空き地で始まりました。

この農園で働く女性には、小規模農家向けの農業技術と栄養意識に関するトレーニングが提供されます。

また、上水設備や灌漑用の道具も供給されているので、乾燥した時期でも野菜などの短い収穫サイクルの作物を生産することができます。

ジョセリン(エルサルバドル):国連WFPによる現金等での食料支援

ジョセリンさんは、雇用機会が少ないエルサルバドルのウスルタン地方の村、ヌエバグラナダに住んでいます。

エルサルバドルは中央アメリカのいわゆる乾燥回廊に位置する人口640万人の国で、2018年には過去48年間で最長の干ばつに見舞われました。

それは、発展途上国の地方に住む何百万もの女性が経験する、非常に厳しい状況です。

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エルサルバドルのジョセリンさん。現金支援は、家族の中での女性の経済的地位を高め、地域社会の中では女性の社会的役割を強化します。Photo: WFP/Alba Amaya

エルサルバドル人の主食であるトウモロコシ、豆、マイシーロの栽培は、広く男性の仕事とみなされているとジョセリンさんは言います。

しかし、家族や地域社会、国は女性なしでは繁栄できない、と彼女は言い、進歩の中で女性が果たす中心的な役割についても説明します。

国連WFPはエルサルバドルの女性たちを現金給付という形で支援し、女性が自分にとって何がベストなのかを判断できるようにし、人生の重要な決断を下すサポートをしています。

農村部の女性の多くは、生計を立て、家族を支えることに必死になっているため、この現金給付により新たな収入を得ることができ、健康的な食事を家族に与えることができるようになります。

現金支援は、家族の中での女性の経済的地位を高め、地域社会の中では女性の社会的役割を強化します。