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国連デー2010 知花くららさんがトークショー

国連デー2010 知花くららさんがトークショー
, WFP日本_レポート

1945年10月24日に国連憲章が発効したことを記念して設けられた国連の記念日、「国連デー」が10月22日、東京・渋谷の国連大学本部ビルで行われ、知花くららさんを迎えたトークショーが開催されました。人通りの多い青山通りに面した会場には、知花さんの話を聞きに、大勢の方々が集まりました。

知花さんは、2008年4月に南アフリカの国ザンビア、2009年12月には台風の被害が残るフィリピン、そして2010年8月には内戦が終わって間もないスリランカ、とこれまでに三度、WFPの食糧支援現場を訪問しています。トークショーでは、会場に集まった人たちに、知花さんがそれぞれの現場で「見たもの、感じたこと」をご本人の言葉で伝えました。

最初の訪問地ザンビアでは、WFPの母子栄養支援が行われている移動保健所がとても印象に残ったそうです。その地域は近くに病院がないため、月に1度、看護婦が村を訪れると、たくさんの人たちが集まってきます。知花さんはその診療所のなかで、小さな赤ちゃんを抱いたお母さんに出会いました。赤ちゃんは、脱水症状を起こし、非常に危ない状態です。知花さんが状況を尋ねると、お母さんもここ数日、木の根っこしか食べていないため母乳が出ず、赤ちゃんにもその影響が及んでしまったことが分かりました。知花さんは、「食糧さえ足りていれば、清潔な水さえ足りていれば、赤ちゃんは助かるのに・・・」と、現場で感じたやるせない気持ちを語りました。

昨年台風の直撃を相次いで受け、過去40年で最悪の豪雨に見舞われたフィリピン。WFPは、被災者150万人を対象に食糧支援を行いました。知花さんが訪れたのは、マニラの近郊にある被災地域で、そこには最も貧しい人たちが暮らしています。かつてゴミ山だったその場所には、台風が去ってから2カ月半が経過しているにもかかわらず、汚い水が溜まったままになっていて、子どもたちは、その水に素足でジャバジャバと入って行きます。そうした子どもの足が、感染症で爛(ただ)れてしまうことも日常茶飯事。そんな光景を目にした知花さんは、「この状況は、彼らの力だけでは、もうどうにもならない。無力感を感じました。」と、国際支援の必要性と重要性を訴えました。

内戦に巻き込まれた人たちの村を訪問したスリランカでは、知花さんの姿を見るや否や人々が集まってきて、人垣に囲まれたそうです。そのとき知花さんは、「わたし、いますごく頼られている。頼みの綱にされている。」と感じたと話しました。やせ細った顔や、少し怒っているように見える顔、悲しそうな表情にたくさん出会い、知花さんは、「私たちの目の前にいる人たちの生活はすごく緊迫していて、今日の食糧も足りていない状況なんだ、と肌で感じることで、私に何かできるかな、と真剣に考えましたね。」と熱く語りました。

知花さんは、「私が実際にWFPの活動現場に赴いて、見て肌で感じたことを、こうしたトークショーやブログ、メディアなどで出来るだけ発信していく、その機会をもっともっと持てたらいいと思います。」と抱負を語り、そして来場者にも、小さなことで良いので、自分に出来ることからWFP支援に参加してほしい、と呼び掛け、トークショーを締めくくりました。

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©Farmer's Market