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アフガニスタン:空腹と困難に直面する少女たち

国連WFPの学校給食プログラムは、成長とともに、機会や選択肢を絶たれている若者、特に少女たちにとって、生命線となっています。
, Philippe Kropf
Afghanistan schoolgirl Hazra, 11, enjoys WFP's energy-packed biscuits and hopes to becomes a doctor when she grows up. Photo: WFP/Sadeq Naseri
ジャララバードの学校で、国連WFPの高カロリービスケットを食べるハズラ(11歳)。将来の夢は医師になることです。Photo: WFP/Sadeq Naseri

アフガニスタン東部のジャララバードに住む11歳のハズラは、毎日のように空腹のまま授業を受けています。

「ときどき朝ごはんにお茶とパンを食べることもあります。ほとんどの日は何も食べないで登校します」小学6年生の彼女は、同級生と同じ白のスカーフと黒の長いローブに身を包んでいます。

「お腹が空いています」とハズラは続けます。「何も食べないと先生の話に集中できません。」

この女子校では、全校生徒約1000人に先生が国連WFPの高カロリービスケットを配っています。

100グラムのビスケットには450キロカロリーのエネルギーと、脂質、タンパク質、そして成長期に欠かせないビタミンやミネラルが含まれています。

「ビスケットはおいしいです。食べると幸せな気分になります。元気が出て、授業にも積極的に参加できるようになりました。」

Girls at an eastern Afghanistan primary school. WFP's school feeding is a powerful incentive for parents to send their children to school. Photo: WFP/Sadeq Naseri
アフガニスタン東部の小学校に通う少女たち。国連WFPの学校給食は、親が子どもを学校に通わせる強い動機になっています。Photo: WFP/Sadeq Naseri

ビスケットの配布は、国連WFPがアフガニスタン全土で90万人以上の子どもたちを支援している学校給食プログラムの一部です。

その他の国連WFPの幅広い食料・栄養支援とともに、特に厳しい冬の間に急増している飢餓から人びとを救っています。

国連WFPアフガニスタン国事務所のシャオ・ウェイ・リー代表は「学校給食は、国連WFPがアフガニスタンで行う支援の中でも重要な活動です。絶望と飢餓からこの国の人びとを守る最後の砦となっています」と述べています。

アフガニスタンの少女や女性が教育や就労を制限され、飢餓の危機に瀕する今日、ハズラのような子どもへの支援がこれまで以上に重要となっています。実際に、国連WFPが学校給食で支援する子どもたちの約半数は女児です。

確実な恩恵と、困難な時期

「お腹をすかせた子どもは十分に学ぶことができません。」国連WFPアフガニスタン国事務所の栄養部門長モナ・シャイフは言います。アフガニスタンでは、何百万もの子どもたちが消耗症や慢性的な栄養不良に苦しんでいます。「学校給食によって親が子どもを学校に通わせるようになるので、特に少女が教育を受けるための生命線になります。」

国連WFPの学校給食の恩恵は目に見える形で現れています。ある村の女子校では、2019年に国連WFPが家庭に持ち帰れる食料配給を行ったことで、出席率が倍増し、生徒は1,000人以上になりました。

Afghanistan's girls face narrowing opportunities to move ahead. Photo: WFP/Sadeq Naseri
進学の機会が失われるアフガニスタンの少女たち。Photo: WFP/Sadeq Naseri

「この支援は、家族が少女を学校に通わせることに大いに役立っています」と校長は言います。「生徒の出席率も向上し、より長い期間学校に通うようになります。」

20年以上前にアフガニスタンで開始された国連WFPの学校給食プログラムは、地元の食材を使った軽食も提供しています。これは、学齢期の子どもたちの食料安全保障と栄養改善を教育に結びつけることを目的としています。

40年にわたる紛争で疲弊したアフガニスタンでは、大きな違いが生まれています。10人のうち9人が十分な食事をとれておらず、2023年には人口の約3分の2に当たる2830万人(昨年より400万人近く増加)が人道支援を必要とすると予測されています。

2021年8月にタリバンが政権を掌握して以来、アフガニスタンの家庭の苦難はさらに深まっています。深刻な経済危機が国を襲い、干ばつや洪水が追い打ちをかけています。

その影響は、村の400世帯のほとんどが農業や家畜の飼育で生計を立て、土と木で作られた家が並ぶ、この農村にも及んでいます。

A WFP truck convoy heading to preposition food in remote parts of Afghanistan, before harsh weather cuts communities off from assistance. Photo: WFP/Sadeq Naseri
厳しい天候によって交通手段が閉ざされる前に、遠隔地へ食料の備蓄に向かう国連WFPのトラックの輸送隊。Photo: WFP/Sadeq Naseri

アフガニスタンでは、3年連続の干ばつに悩まされています。10月の小麦の収穫時にはすでに、州全体の食料安全保障は危機的な水準にありました。

「この地区のほとんどの家庭は大家族で貧しいのです」地区の学校の教師が現地を訪れたWFPのチームに話しました。「家庭は、子どもたちに毎日健康的なものを食べさせるために学校に通わせています。」

岐路に立つ教育

小学校卒業後、ハズラのような女の子たちの選択肢は失われています。タリバンは、公共のあらゆる領域で女性や少女の権利を取り締まっており、特に教育はその影響を強く受けています。女児が学校に通えるのは最初の6年間だけで、1年以上前から中等教育への入学が禁止されています。

12月には、女性の大学進学が禁じられました。また、アフガニスタンの家庭を支援するため、国連WFPなどの国連機関が連携している、現地の、または国際的な非政府組織(NGO)で女性が働くことも禁じられています。

A woman and her child receive WFP food assistance in Kabul province. Women and girls have been hardest hit by Afghanistan’s hunger crisis. Photo: WFP/Sadeq Naseri
カブール州で国連WFPの食料支援を受ける女性と子ども。アフガニスタンの食料危機で最も深刻な影響を受けているのは女性と少女です。Photo: WFP/Sadeq Naseri 

女性職員の勤務禁止措置の影響を評価するため、国連機関は、アフガニスタン国内の他の人道支援団体とともに、いくつかの活動を一時的に停止ししました。これには、国連WFPの学校給食支援も含まれています。ただし、通常の公立学校に通うには遠すぎるため、女性教師が女子を教えている地域の教室などでは、高カロリービスケットの配布を継続しています。

国連WFPと他の人道支援機関は、タリバン当局に対し、女性職員の勤務禁止措置を再考するよう求めるとともに、支援を必要とするすべての人びとに届けていくことをを再確認しました。

声明では、いかなる国も「人口の半分が社会に貢献することを妨げることはできない」と付け加えています。

その社会貢献とは、医師になりたいと夢見るハズラのような少女が、必要な教育や栄養の支援を受けられるようにすることから始まるのです。

Primary school girls enjoy a class break in eastern Afghanistan. Photo: WFP/Sadeq Naseri
休憩時間を楽しむ女子生徒たち。Photo: WFP/Sadeq Naseri

「アフガニスタンのような脆弱な国では、学校給食は人道的支援であると同時に、より平和な未来への希望でもあります」と国連WFPアフガニスタン国事務所のリー代表は述べています。「少女や女性、そしてコミュニティや国が前進するための手助けになるのです。」

アフガニスタンにおける国連WFPの学校給食プログラムは、欧州委員会の国際パートナーシップ総局、フランス政府、ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)、韓国からの拠出金により支援されています。

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